全国を気ままに移動できる「車旅」だけど…
YouTube の車旅をテーマにしているチャンネルには、大きく2つのタイプがあると思う。
一つ目がDIYやキャンピングカーの紹介など、Howto 的なチャンネル。
もう一つが、「車中泊」を主体にしたチャンネル。
特に「車中泊」をメインにしたチャンネルは、人里離れた場所や極寒、女性の一人旅などを加えることも多い。
ただ冷静に考えると、夜間照明器具が乏しい駐車場の片隅に、窓全面を覆い隠した車両が停まっていたら、男性でも近寄りたくはない。
事故や事件を連想させるし、中にどんな人がいるのかも分からないからだ。
行動の自由という立場を考えると、利用規約に違反していない以上は、駐車場で車中泊を禁止する根拠は見当たらない。
でも、一台でも数台でも、夜間に目張りされた車があるのは、全く関係ない人にすれば警戒したい一角になる。
また車中泊を楽しみたい人の立場からも、危険を誘発しない行動が求められるだろう。
海外に比べて「置引き」が少ない日本だとしても、事故や事件を招かない状況を保持することは大切だと思うし、不快な思い出に遭遇しないためにも互いに気をつけたいところだ。
管理された場所を車中泊で「無料」で使うって!?
夜間時、管理人がいるような場所での車中泊は、おおむね有料だろう。
一泊数千円程度が必要となるけれど、「安全性」と「周辺への配慮」を考えると、そこは出し惜しみするべきではないはずだ。
昔、ノマドワーカーだった頃、空いている時間帯のカフェなどを利用させてもらう時も、最長で2時間とか、自分なりの制約を決めていた。
というのも、店の経営者からご好意で席を使わせてもらえることもあるけれど、そんな店ばかりではないし、一杯数百円で粘られては利益率も悪い。
ワークスペースを貸し出すレンタルオフィスが、時間あたり数百円程度だとするなら、2時間くらい利用するなら1000円以上の飲食費は出すくらいが相場だろう。
そんな風に、自分がある時間、一定の場所を占領する代金って、思う以上に高い。
それはいろんな面で担保されているからで、一泊しても「無料」という駐車場は破格な選択だろう。
例えば公的な管理をしている「道の駅」も、巡り巡れば税金によって運営されている。
それは、納税者がどこまでの利用を求めて、税金の割り振りを予算として組むのかだろう。
あまりにコストが嵩めば、「道の駅」を運営できなくなるだろうし、安全面や衛生面を維持するにもコストが掛かるのだから、「無料」を当然の権利と考えるのは先行きを不安になせる。
それこそ、車のナンバーを出入り口で読み取り、申請して車中泊できるという方法もあるが、そこにコストを投入し、これからもずっと「車中泊」希望者が集まるのかも判断に苦しむ。
というのも、ガソリン代や生活費を試算すると、「車中泊」ベースの生活費も月額数万円くらいは必要だろうし、加えて就労できる環境まで含めると予備費としてさらに数万円くらいないと事業も始められない。
例えば、車旅をテーマにしたコラム記事で稼ぐにしても、月額で10万円を得るには取材費や通信費など、一定のコストを確保しなければいけない。
まして、ブログにアップしているだけでは稼げないから、記事製作の会社と就労契約できるくらいの文章力も必要だ。
などなど考えると、「車中泊」を趣味で楽しむのは自由だとしても、「車中泊」から収益化を目指すなら、「車上生活」に陥らない準備が必須だろう。
コストという観点で考えると、家賃を省けば生活費を抑えられるという発想よりも、どこでも稼げるスキルをどう身につけて、そのための機材や資金を用意する工夫も求められる。
個人的には、長期的な車中泊に見通しが立たない。
週末などを一泊で楽しむくらいがちょうどいい。