「現状」を知る確実な方法

 今とは異なる「環境」に身を置いてみる

車中泊は始め、ツリーリングでもそうですが、2泊、3泊と旅する生活がメインになれば、人は大切なものの感じ方も変化します。

これだけは必要。

こみちが思った生活必需品は「歯ブラシ」でした。

これまでの生活から旅する生活に変わっても、歯を磨くという習慣を無くすことはできません。

きっとそれは、爪や髪などにも言えることで、車旅をするにしても不快のない生活を続けたいと思うでしょう。

旅に出ると、意外とすぐにやめられることもあれば、改めて自分自身の生活から切り離せないことを再認識します。

今の悩みを解消できることもありますが、同時に新たな悩みが始まるとも言えます。

例えば「仕事」という意味では、100人の内数名だけが「才能」で生きられるでしょう。

想像すると分かりますが、学生時代に何かスポーツをして、それでプロになれる人がわずかであることと同じです。

多くの人は卒業などのきっかけで選手を引退し、社会人となって働き始めます。

さらに、仮にプロになれたとしても、結果を残せずに1年後、5年後、どこかのタイミングで自ら引退を決意しなければいけないこともあります。

つまり、才能に恵まれたとしても、そこから20年30年と業界で活躍し続けるのはひと握りに与えられた選択肢でしょう。

車旅に出るには、キャンピングカーでなくても構いません。

今使っている乗用車に、最低限の家財道具を乗せて、家を出て終えば旅は始まります。

北海道まで行ってみよう。日本海まで足を伸ばそう。

特に旅の目的などなくても旅が始まります。

しかし、人生が種まき、水やり、開花、収穫を繰り返すことなら、車旅でも同じことで、「どこかに行ってみよう」も何度か繰り返す頃には飽きてしまいます。

それは種まきをしないで、水やりをしても何も起こらないように、旅に目的がなければ何もそこから起こりません。

どんな目的を見出すかが問われます。

しかし、「現状」を知る意味では、今とは違う環境に身を置いてみることが有効で、車旅をしてみたからこそ、今の生活がどれだけ便利で快適かを知れるでしょう。

無理をしても「豪華な生活」をしてみる!?

例えば、イヤホンを選ぶ時に予算があります。

人それぞれ金額は異なりますが、ワイヤレスなら3万円以上が「豪華」に入るでしょう。

ではそんな豪華なイヤホンは何が違うのでしょうか。

これも個人によって感覚は異なりますが、例えばこみちの場合には「良い音」とは感じません。

「普通に思えます」

一方で、1000円のダイソーイヤホンを聴くと、「コレでも良いんじゃないの?」と思います。

しかし両者を改めて聴き比べると、聴こえてくる音質は全く別物で、決定的な違いは「没入感」でした。

「曲を聴く」という目的なら、金額を問わずにどんなイヤホンでも十分に目的を果たせます。

しかし、その世界感を感じたいなら少しでも音質がよくて、臨場感豊かな環境を求めたくなります。

つまり3万円以上の豪華なイヤホンでも、コンサート会場やライブ会場の雰囲気を100%再現することは不可能です。

なぜなら、人は耳で音を聴くばかりではなく、肌感覚でも音楽を楽しむからです。

ギターを弾いていると耳から聞こえる音以外に、腹から響き伝わる楽器の振動があります。

特に全身に響くような低音の唸りは、周波数の特性だけで再現できるものではありません。

つまり、どれだけ豪華な生活も、その上は存在します。

しかしここで大切なのは、誰かから羨ましがられる生活ではなく、自身が求めている生活を見つけることです。

その意味で、少し今よりも豪華な生活を送ってみようと考えた時に、自分が求める「豪華な」の意味が見つかります。

意外と高い家賃の物件に住んでも、過度に広い家に住んでも、幸せだとは思いません。

もちろんそこが大切という人もいるとは思いますが、少なくともこみちの場合は、ある程度のスペースとそこに親しい人が居て、一緒に料理を作り食べられるような生活が理想です。

10代の頃みたいにどこか遠くに行けば、何か大切なものが見つかると思っていた時期もありました。

しかし実際にしてみて感じたのは、どこにいても変わらないことでした。

それは「自分自身」が変わらないと、何も変わらないと気づいたからです。

イヤホンでいう「臨場感」や「没入感」がそれこそ「豪華な」の答えですが、実はそれらも生活次第で作り出せます。

例えばこみちは料理をするのですが、オムライス、餃子と自分で作っている時に幸せを感じます。

惣菜品も美味しいのですが、どうしても感動できる感覚にはなりません。

自分好みに味を決めて、少し具材を盛って好きなバランスで作れると嬉しいのです。

特に妻が美味しいと言ってくれたら、作り甲斐もありますし、料理を覚えて良かったと思います。

つまり、お金で手に入ることは多くが入り口部分で、さらに求めるには自分が身につけて行くことしかありません。

だから段々と大人になるとお金の大切さも分かる一方で、お金では買えないものがたくさんあることに気づきます。

いずれにしても、今を知る確実な方法は、今とは異なる環境、つまり車旅に出てみれば、今の生活の良さも、不要なことも分かります。

時々そんな風にリセットすれば、自分の生活を見直せるでしょう。

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