久しぶりのバイク店で
こみちのような中高年の方は、「モンキー」といえば50ccのポケバイのようなイメージだろう。
昔、通っていた美容室の美容師たちがバイク好きで、店内にピカピカにカスタムされた「モンキー」が飾ってあったことを思い出す。
もちろんナンバー付きだから公道を走れるのだが、かつてのモンキーにはカスタムして飾る楽しみもあった。
半年くらいは経過するだろうか。
大きくなった125ccのモンキーが新しく誕生すると知り、近所のバイク店まで見に行ったことがある。
バイクを手放して随分と月日が経過したから、あのタイヤの臭いというか、バイク店の臭いが懐かしい。
「モンキー見せてもらえませんか?」
店内の若いスタッフに声を掛けると、「こちらへどうぞ」と二階へ続く階段口を案内された。
階段下に、CB1300SFとレブル250が展示されている。
正直、CB1300SFってこんなに大きかっただろうか。
しばらく見ない内に、何だか乗れそうな気がしないほど、威圧感がプンプンとしていた。
「これ、レブル250です。シート高も低いから乗りやすいですよ」
階段の登り口で、アメリカスタイルのレブルを紹介された。
250ccという丁度よいサイズ感。しかもシート高は見るからに低い。
乗りやすそうなことがすぐに分かる。
「同じ車体で500ccもありますよ」
「へぇ、500ccですか?」
これでも大型二輪の免許を持っているから、500ccの万能性には魅力を感じる。
かつて、スティードというアメリカスタイルのバイクが販売されていた。
中免しか無いライダーの多くは400ccを選び、限定解除しているライダーはその上級モデル600ccを選ぶこともできた。
750ccに乗るライダーが、一目置かれるほど少ない時代だったからこそ、600cc版のスティードは特別な一台だった。
400ccとの差は200ccで、それはトルクの太さに現れる。
当時はこみちも中免しかなく、400ccに乗っていたから、峠道の立ち上がりで必ず加速でワンテンポ置いていかれる感覚があった。
初めて750ccの大型に乗った時、十分に思えた400ccがとても可愛く思える。
車重が増えるから男性でも取り回しを誤魔化すことができない。
その代わり、走り出してしまえば、400ccでは得られない安心感や俊敏さが右手に与えられた。
今さら、CB1300SFのようなリッターバイクでなくてもいいだろう。
でも250cc、400cc、750ccそれぞれに魅力があることは疑いようも無い。
初めて見た「モンキー125」
その時、モンキーには赤と黄色が販売されていた。
そして、その両方が目の前にあった。
特に黄色は、オーリンズのようなゴールド感が目を惹く。
「跨ってもいいですか?」
かつての50ccモンキーとはまるでサイズ感が違う。
サスの沈み込みもあって、どうにか両足の踵まで地面に届いた。
でも、「可愛いモンキー」ではなく「頼れるモンキー」って感じだ。
大昔のことで記憶は曖昧だが、かつて400ccのバイクが乗り出しで50万円くらいのイメージだった。
それが、モンキー125の乗り出しが40万円を超えると知り、「えええ?」と焦った。
ゼファー1100でさえ100万円で買えた時代。
「なるほど…」
勢いで購入することはできなかったという話。