「ことりっぷ」に見るこれからの「旅」の形

 「ことりっぷ」とは?

「ことりっぷ」は、昭文社が発行している旅行雑誌。

従来の雑誌にはなかった試みとして、Webやアプリへの展開も見せる。

例えば、今度の休みに何処か旅行に行きたいなと思う。

以前なら、旅先くらいは自分で決めなければ始まらない。

しかし、この「ことりっぷ」web版なら、ジャンルというカテゴリーから旅先を決めることもできる。

漠然と「旅」に出かけるから、「どんな旅をしたいのか?」で、今の自分に合った旅先が見つかる。

従来の雑誌ではできない、その人の、今の気分に合った旅を具体的に示してくれるのは、きっとこれまで旅を提案して来た雑誌編集部の願いでもあるだろう。

何より、「核」となる部分が、これまでの取材で蓄積されているのだから、紙面だけにこだわることをやめて、Webやアプリ、SNSもフル活用することで、今のニーズが何処にあるのかも知ることができる。

東京見物なら、絶対にここだけは押さえておきたいというおすすめポイントも、実は気分や目的によっては自由に変更してもいいはず。

例えば、3度目に初めて定番の「東京見物」をしてみようでも悪くない。

むしろ、求めている条件をたくさん伝えてくれる程、「ことりっぷ」は相乗効果でより価値あるものへと変化するからだ。

実際に公式サイトも見せてもらったが、写真も綺麗だし、ワクワクできる期待感もあって、「今度の休みに行ってみよう」となる。

一個人ではカバーできない程の蓄積と、新しい情報収集は、「旅」に長く向き合ってきたからこその強みだろう。

本当に熟知しているなら、実は入り口となる情報を提供しても恐れることはない。

むしろ、それは立ち読みみたいなもので、何度も「ことりっぷ」を使ううちに正規登録しておこうとユーザーの方から歩み寄ってくるからだ。

「ことりっぷ」が数ある旅行系雑誌の中で支持される理由が分かった気がした。

旅行先でしっかり楽しんでしんでもらう情報をいかに提供していけるか。

雑誌という範疇にこだわるのを一旦やめて、読者の求めているものから逆算したところに、見習うべきポイントがありそうだ。

こんな記事はいかが?