これから「旅」を仕事にしたいと考える人へ

 「旅とは何か?」を掘り下げる

こみち自身を含めて、YouTube で「「旅」して稼ぐことはできないか?」と考える人は少なくないだろう。

目覚める度に同じ景色が無いのだから、それを考えただけでも「旅好き」なら心が躍る。

しかし、早速注意しなければいけないのは、「自分が楽しむ旅」と「楽しませる旅」の違いだろう。

こみちもYouTubeを細かくみていないから知らないだけかもしれないが、正直なところ旅を今でも継続しているYouTuberを知らない。

知っているYouTuberが数名いるが、彼らは現時点で純粋に旅を続けていないと思う。

一つには健康状態から、もう一つにはコロナ禍の影響、あえて別の理由を加えるなら「旅そのものの意義」を見直しているからだろう。

確かに一年くらい前から、「キャンプ」が流行し、「ソロキャンプ」とか「女子キャン」のような言葉だけで視聴された時期があるし、こみちもキャンピングカーが好きだから何かとおすすめ動画を見つけると視聴していた。

どちらかが先か分からないが、いつの間にかおすすめに出てくる回数も減り、さらにこみち自身も今勢いのある「旅人」を探してもいない。

むしろ、過去にチャンネル登録した人がいつの間にか去っていたりして、何か寂しくもあり、時代の移ろいを感じる。

つまり、何となく好きだから「旅を始めます!」というノリでは持たないのだろう。

3ヶ月とか半年くらいの期間限定で、「見てもらえなくてもいいんだ」という覚悟で始めるなら別だが、「旅を仕事にしたい!」と望むならそれなりの準備が必要になる。

キャンピングカー推しのコンテンツ

車内での調理や睡眠が可能なキャンピングカー。

キャブコンやバンコンなど、その外観もいろいろある。

しかし、停止状態でのスペックこそ調べればある程度まで確認できるが、実際にどれくらい便利なのかは意外と経験してみないと分からない。

というのも、野宿やテントでの宿泊は、家にいる時とは異なる。

「快適性」という尺度だけで優劣をつけても意味はない。

自然の中にいる「自分」が、日常生活の生活から一瞬でも切り離されて、そこで何か新しい発見ができる。

時には旅先での「おにぎり」が、とても貴重で美味しく感じられるのも、「そこに行ったプロセス」込みでの話なのだ。

キャンピングカーをどんどん快適にして、夏でも冬でも快適で、まるでそこは「家のリビング」と同じだったら、「旅って何だ?」という振り出しに戻ってしまう。

もちろん、車内での生活ぶり90%のキャンピングカー関連10%というコンテンツにして、旅を前面に押すのではなく、どこか移動できる「家」で住む人をドキュメンタリー風に仕立てるならありだ。

でもこれが、装備された電子レンジで簡単にできる料理を毎回紹介されたらどうだろう。

演者の個性や魅力で持たせられたとしても、「一年いけるのか?」という話になってしまう。

もちろん、ここでしっかりと企業案件を受けて、キャンピングカーでも使える一人暮らし向けの電化製品をレビューしていけば、何か面白い展開も期待できる。

しかし、これだけYouTube が稼げる環境を作っていても、キャンピングカー関連のチャンネル運営は、だいたい似たような内容で、これから購入したいと思った人に知りたいことを教えてくれない。

毎回触れているが、駐車場所とゴミ、給排水の処理、さらにはキャンピングカーの耐久性とランニングコスト、メーカー保証などだ。

夏場、桶に水入れて一週間も経過すると、桶の表面にヌルヌルとした感覚を覚える。

お風呂の浴槽も同じで、家族で入ったら、次回は丸ごと洗わないと気になる。

キャンピングカーの給水タンクは特別製なのか。

もちろん、滑りを防止したり抑えたりできるケミカル剤などもあると思うし、そこは工夫やコツがあると思う。

しかし、「移動する家」という目的でキャンピングカーを作るなら、もしも給排水で問題が克服できないなら、その改善策を動画コンテンツにしていけばいい。

それは批判という目的ではなくて、本当に「移動できる家」を確立させる一歩になるからだ。

と言うのは、こみちが「旅を仕事にする」を考えた時に、レンジでチンはできるけど、車内で水やお湯は使えるけど後片付けが面倒だと知っていたら、追加料金を支払って10リットルタンクを50リットルの大きなものには変えないだろう。

雨風を無視すれば、バイク旅でもコンビニをフル活用すればレンチンできるし、温かい食事はどこでもできる。

それで困るのは、寝るところと一人旅の時の安全性だろう。

そう考えると、夜は宿を使いたいし、そこなら風呂も使えて簡単に手洗いで洗濯もできてしまう。

旅のスタイルとしてはキャンピングカーとバイクでは異なるが、「見せる旅」「見てもらう旅」として考えた時にキャンピングカーでしかできないことを改めて掘り下げないと、何も無いハイエースの箱でもいい事になる。

キャンピングカー関連のチャンネルで、「しっかりと眠れるベッドでした」という感想は、そのキャンピングカーで個人的に車旅をしたい人へのメッセージ。

つまり、「普段と変わらない寝心地ですよ」と紹介している。

しかし「見せる旅」の目的は、疲れを癒せる睡眠もないわけでは無いが、「移動する目的」や「旅の楽しさ」「非日常性」を感じてもらえることだろう。

方法として、朝から晩まで、キャンピングカー内での生活をつぶさに撮影し、演者の様子をコンテンツ化することはできる。

一方でこみちは日常のすべてを曝け出すことに抵抗がある。

良い人と思われたいからではなく、誰にだっていろんな事情があって、それを抱えて生きている。

本来なら「繋がって行くこと」で「見てもらう旅」は魅力を増す。

しかし、個人を売りにしてしまうと、自分だけでは済まない影響も考えてしまうからだ。

「おまえの父ちゃん、車旅しているの?」

だからと言って悪いことではないものの、その時の家族の気持ちまで考えると日常生活を切り売りできないと思ってしまう。

旅の目的はキャンピングカー以外に?

例えば旅にキャンピングカーを使うにしても、メインテーマとして日常生活のシーンは控えめにする。

レンチンとか鍋とか、家にいる時なら料理したくない時に簡単に済ませられるメニューだから、それこそ特別感を出さないならどうしても面白味がない。

現地の食材だけとか、市販品の味くらいとか、もう少し内容が盛り込めないと面白くならない気がしてしまう。

超高級焼肉も、本当なら専門店の鉄板で焼いて欲しい。

それをホットプレートで焼いても、本当に美味しいレベルになるだろうか。

メーカーの批判にも聞こえるが、家で本当に良い肉をホットプレートでは焼かない。

それは、家でさえ「ガス」の方が美味しく焼けるからだ。

何が言いたいのかというと、「キャンピングカー」を使おうとするが故に、旅の魅力が制限されてはいないのかって部分。

「見せる旅」に徹するなら、それこそハイエースで、後席に何も置かない方が都合がいい。

リトリートのようなコンセプトにして、極端な話、キャンピングカーのみで完結しようとしないくらいがいい。

つまり、駐車スペースに差し支えないナローで、乗車定員も一人が二人。

それ以上ならもう一台のキャンピングカーを使う。

チャンネルのテーマは「日本発見!」

ありきたりではあるが、観光、街、食文化、地場産業、有名スポット、有名人、人、祭り、ロケーション、伝統歴史、遺産、山、天候、季節、桜、駅、バス、道路。

思いついたものをとりあえずランダムに書いてみたが、そこからさらに枝葉を広げるなり、掘り下げるなどして、扱って行くテーマを決めて行く。

今の若い人の中には、「笑っていいとも」を知らない人がいたりするのだろうか。

お昼の長寿番組として広く知られていたタモリさん司会のテレビ放送。

テレホンショッキングが番組の頭から始まり、その後CMを挟んで、レギュラーメンバーに加えてゲストも加わってクイズなどのイベントが続く。

それをじっくりと観るのではなく、家にいても職場でも、昼食を食べながらチラチラと画面を観て楽しむ。

でもここにポイントがあって、忙しい時間帯に片時も目が離せない内容では成立しないのだ。

どこから見ても、何となく内容が理解できて「へぇ〜」と楽しめる。

番組が終了する頃には、みんな席を立ち午後の仕事の準備を始めたりしている。

他局も打倒「笑っていいとも」だったはずだが視聴率で挽回できないのは、本当に真面目に作り込んだからだろう。

もちろんそれはスマホなどがなかった時代に、みんなが楽しめるという方向性が「いいとも」にあったからだ。

今の時代なら、何かに特化した内容でも、それを選んでくれる人が見込めるなら番組として成立するだろうし、YouTube チャンネルであるなら「公共性」を意識し過ぎる必要もない。

特定の年代や層にしっかりと支持されるコンテンツなら、視聴される可能性は十分にある。

例えば、旅を扱うチャンネルでも、「全国各地の夜の繁華街」を扱うことだって選択肢としては無いわけではない。

居酒屋チェーンだけでなく、地元で長く営まれた店を紹介しても面白い。

同じ発想で言うなら、キャンピングカーではなく、プレジャーボートを使い、日本の港を巡りながら、上陸し散策する。

許されるなら海釣りをして、釣った魚を堪能してもいい。

もっと言えば、少し身の危険もあるが、川の源流を探して海まで追いかけると言う旅だってある。

そんな風に考えると、旅を仕事にできるチャンスはたくさんありそうだ。

あとは、それをどんな視聴者向けに流すのか。

景色だけで勝負するのか、可愛い女性を使うのか。

それともおっさん自らが淡々と紹介するのか。




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