「自由」と「孤立」の狭間で

 「キャンピングカー」が教えてくれたもの

皆さんは、今のお住まいをどんな経緯で選びましたか。

こみちは、地方の田舎町に育ち、都会に憧れて上京し、この土地に根付きました。

学生時代に建物や都市開発に興味を持ち、好きだったバイクで全国各地を巡りながら、その時々の景色を描くスケッチ旅をしていたこともあります。

今でこそ、googlemap  があって、その場所に足を運ばなくても、大体の景色を確認することはできますが、当時は「日本一周」という旅はアドベンチャーとしての難易度よりも、社会人として「時間」を捻出することの方が困難だったでしょう。

実際、学生時代には長い夏休みがありますから、少し急ぎさえすれば「日本一周」もそれほど困難ではありません。

むしろ、当時でさえ、クラスメートの中にはヨーロッパや東南アジア、アメリカなどを旅していたからです。

その頃、こみちが感じていたのは、「センス」や「テクニック」も、「経験」の上にできるものだということで、国内旅しか経験がないこみちに例えば「都市開発」の何が分かるのだろうかとも思っていました。

中高年と呼ばれる年代になり、国内だけでなく海外の街並みさえ自由に見ることができる時代になって、当時では考えられないほどの「自由」を得たように思います。

一方で、多くのことが「特別」ではなく、望めば手に入る「当たり前」になりました。

そんな風に感じるようになって、数年前から「キャンピングカー」に再び興味を持ち出し、エアコンも電子レンジも冷蔵庫も完備された車がどれだけ便利だろうかと想像します。

というのも、学生時代のバイク旅は、ひと組の着替えとスケッチブック、地図と少しの現金くらいで、その他の物は現地調達でした。

一週間とか二週間くらいなら、国内のどこにいても食べることや寝ること、入浴だって困ったりしないからです。

旅の途中に昼寝をしようと思う時、家にいる時みたいにテレビを観ながらウトウトするよりも、眺めのいい場所で横になり、風に吹かれながらウトウトした方が気持ちよかったと記憶しています。

結局のところ、「準備」すればするほど、荷物は増えてしまいます。

でも実際には、すべてを使いこなすほど時間はなくて、大半は使わないまま「気持ちの余裕さ」になってしまうのです。

以前は、バイク旅でコンロも持って行きました。

見晴らしのいい場所で、コーヒーを飲みたいからです。

確かにそんな景色の中での休息は何者にも変えられませんが、唯一無二とは言えません。

なぜなら、コンロを持ち歩かなくなって、でも現地でコーヒーに代わる飲み物は手に入るからです。

例えば入らなかったとしても、それが不孝ではなく、また楽しいハプニングだったりするのです。

「いつものモノがある」というのは、むしろ日常生活に近く、折角の旅ならどこかそんなルールからも解放されたいと思います。

キャンピングカーの魅力

YouTube でいろんな人のキャンピングカー旅を観るのが好きです。

苦労して撮影し、凝った演出と編集を加えて、魅力的なコンテンツを発信してくれることに、いつも感謝しています。

その度に、例えばナッツRVのフラッグシップ「ボーダーバンクスがあったらどうだろうか?」とか、「軽キャンカー」ならトコトコ旅も楽しいだろうと想像します。

初めてバイクに乗った時のように、自由を手に入れたような気持ちになれるでしょう。

しかし、薄々気づいていないいることがあって、キャンピングカー旅をする「時間」がないのです。

中高年になって老いた両親がいると、一週間も家を空けられませんし、朝は食事を作って仕事に行き、帰宅したら洗濯物を畳んだりと思いの外、ノルマがあるからです。

おまけに、趣味のイラストや文章を書いて、試験勉強をして、ダブルワークの方の準備までとなると、一体いつキャンピングカーを使えるだろうかって話しになります。

でも、「キャンピングカーがあれば「自由」が手に入る」というイメージは大切で、それは実際に家と比較した使い勝手とはまた違う価値観です。

家にいても「孤独」は感じますし、キャンピングカーを使っても「自由」になれるかはその人の気持ち次第でしょう。

どちらかと言えば、マイナスを探すのは簡単なことで、プラスに思考するのは苦労を伴います。

だからこそ、キャンピングカーに対しては憧れを持って、いつか旅に出たいと思いながら、今という日常を生きています。

きっと多くの人も、自由に憧れていて、でも今はするべきことがあって、それに向かって進んでいるはずです。

そして自由な旅を続ける人がYouTube にアップしてくれたコンテンツを観て、「いつかは自分も…」と想像するのです。

叶えることも大切だけど、夢を持つことも大切です。

そうやって人は今を生きることができるから。

キャンピングカーはそんな存在になっています。

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