「 キャンピングカー」を選ばない選択肢
車旅をしたい時、真っ先に「キャンピングカー」を思い浮かべる人もいるだろう。
しかし、あれこれと調べてみると、キャンピングカー=家にはならないことが分かってきた。
具体的には、まずキャンピングカーの所在地を住まいと定めて、住民票を移動させることは認められていない。
つまり、バンライフと言っても、国内ではどこかに本当の住まいを持っていないと、納税する際など、行政との手続きで不便なのだ。
YouTube などで「バンライフ」を楽しむ人もいるが、それだってどこかに何らかの形で住まいを持っている。
そうでないと、ケガや病気などで医療機関を使う場合にも健康保健が使えない。
何より、社会保険を滞納させてしまうと万が一の時に救済してくれる「障害年金」も受けられなくなる。
余談だが、国民年代の掛け金と受け取れる年金額を単純に比べて損得を考える人もいるが、こみちとしては「障害年金」がとても重要なサービスだと思っている。
少し話が逸れてしまったが、それだけ「家」が我々の生活に欠かせないアイテムだということ。
しかし、キャンピングカーには、簡易的とはいえ、ギャレーと呼ばれるミニキッチンがある。
ハイエースをベースにしたモデルなら、10〜20リットル程度のタンクを備えていて、車内でも水が出せる。
ただ家にいる時のように蛇口から出た水を飲み水として使うことは稀で、手を洗うなどの限られた用途になってしまう。
それでも、ちょっとした手料理も作れるから便利だろう。
一方で、例えば電子レンジと電気ポットでお湯を沸かすことだけにするなら、キャンピングカーでなくてもポータブル電源を使えば一般のミニバンでも条件次第で使えてしまう。
車内でインスタントコーヒーを飲んだり、惣菜を温めたりできるから、制限付きとは言え割と使えるはずだ。
つまり、キャンピングカー=8ナンバーの魅力は税金面の優遇にあるが、車旅の頻度によっては自家用車を「ミニバン」などの積載性に優れた車両にすることで、普段使いから車旅まで幅広く使いこなせる一台が手に入る。
キャンピングカーと言っても、その多くはオートキャンプ場やPVパークのような設備を借り受けるスタイルで、場合によってはトイレさえも車内のものは使わない人もいる。
つまり、寝床としての利便性と簡易的に調理できるキッチンがある以外、ミニバンを使いよりも特筆するメリットは限定的なのだ。
もちろん、フル装備のバスコンタイプまでくれば、長旅も優雅に楽しめるだろうが、全長5メートル以下の一般的な駐車場にも停められるサイズで比較するなら、意外と自家用車でも同じように楽しめる。
日産自動車「セレナ」e-powerが人気?
ミニバンというとトヨタのアルファードを連想していた。
豪華な内装と押し出しの強いフロントデザインが特徴の一台だ。
ところが、販売台数の面では日産自動車の「セレナ」も負けていない。
厳密には、ミニバンの中でも「Mミニバン」と呼ばれるカテゴリがあって、そこに分類されるセレナの競合はトヨタのヴォクシーらしい。
両車の販売台数はとても僅差で、それだけ人気も分かれている。
しかし、人気は二分しているが、両車のライナップは少し趣きが異なる。
特にセレナには「e-power 」と呼ばれる電気自動車があり、モーターによる走行に積極的だ。
もちろん、トヨタのヴォクシーにもハイブリットモデルは存在しているが、エンジンとモーターの優先順位に違いが見られる。
つまり、セレナ電動パーキングブレーキを採用し、全速度域での運転支援アシストに積極的なのに対し、ヴォクシーには電気パーキングブレーキは非採用で、やや未来的な技術には消極的とも言える。
まだ運転に自信があって走りにこだわる人なら、電動パーキングブレーキのあるなしは大きな問題ではないのかもしれない。
しかし、こみちのような年代になると運転サポートを受けられることにポイントをつけたい。
さらに言えば、セレナの視界はとても広く運転もしやすい。
そして、オプション設定になると思うが前席の背もたれ背面にミニテーブルが装着できる。
ちょうど新幹線や飛行機の収納式テーブルに似ている。
例えば夫婦の二人旅なら、荷物は3列目に置けるし、移動中は運転席と助手席が使える。
そして旅先で見つけた特産品などはセカンドシートをダイニングのような感覚で使えてしまう。
これだけできれば、旅先でも役立つ一台だろう。
しかしいざとなれば車内での仮眠はできるし、セカンドシートとサードシートを倒せば、それなりに横になって眠ることもできてしまう。
完全形ではないとはいえ、本当に寛ぎたいなら宿泊施設を利用すれば良いと思えば、割り切ることが出来る範囲だろう。
気なった方は、是非とも実車で確認して欲しい。
旅車として考えた時に、候補になりうる一台と言えるからだ。