仕事関係で使う「ハイエース」を改めて見直す!?
広角レンズによる目に錯覚は、少なからずあります。
映像で観ると、イメージとしては四畳半くらいのスペースがあって、そこにシングルベッドと一口コンロの付いた流し台、1ドアの冷蔵庫、そして衣類などを片付けるタンスなどが置いてある。
しかし、実際の所はシングルサイズのベッドを置けば、ハイエースの荷室はほぼ占領されている状況で、横幅100センチはとても取れません。
実際、ナローのハイエースで製造されたキャンピングカーの一つは、確か横幅65センチだったと思います。
そんなに大柄ではないこみちでも肩幅は50センチ近くあるので、家にいる時の感覚で掛け布団を掛けて寝ると言うことはできません。
しかも、ハイエースの外装には基本的に鉄板以外はありませんから、内外の気温も当然ですが影響されやすいはずです。
架装されるキャンピングカーの場合、一体形成されたFRP素材やアルミ製のパネルと使い、断熱材や消音材を用いた数センチの厚みある壁で、家であれば20センチ近い外壁の機能を再現します。
コンクリート打ちっぱなしのような素材として熱を伝えやすい素材は、温度差によって結露を発生させます。
冬場の窓などに朝、大量の水が付いてしまうのもそのためです。
放置するとカビの発生も起こるので、採光窓も不用意に大きくするべきではありません。
同時にキャンピングカーの場合、熱が車内に伝わるからこそ、結露しないとも言えます。
つまり、気密性を高めるほど、熱が車内に篭りやすく、温度差の発生しやすいところで内部結露が発生します。
それだけを考えても、車内で湿気を誘発しやすいシャワー室を設けることが難しい理由の一つでしょう。
ハイエースのサイズでも、やはり工夫をしなければ生活はできません。
そこは家ではなく車だからです。
感覚としては、高級キャンピングカーとされる「ボーダーバンクス」あたりで、庭先に作る「離れ」に相当します。
しかし、実際に見るボーダーバンクスは本当に巨大で、頼もしい存在ですが、「どこに停められる?」と思ってしまいます。
アルファードでも運転席に位置はハイエースに比べて後ろにあって、それだけ後部席のスペースは狭くなります。
それだけ、意識を変えて、運転しやすい車を選ぶのか、停車した後の快適さを選ぶのかで異なるでしょう。
それだけ「車中泊」ってイメージとは異なるもので、板間やフェリーの二等室などで一夜を明かした時は、身体中が痛かったことを覚えています。
一夜だから我慢できますが、これが毎晩続く生活を受け入れるのは容易では無さそうです。
撮影クルーならまだしも、家の代わりとしてバンライフを選択している方々は、相当にタフなのでしょう。
キャンピングカーがあれば、どこにでも自由に移動できて、気に入った景色の見える場所で寛げると言うイメージを想像してしまいますが、安全に停車できる場所は有料だったりして、それなりに費用も掛かります。
田舎なら数万円で借りられるアパートですが、バンライフだからと言ってもそれ以下で暮らせるとは限りません。
洗濯もコインランドリーですし、コロナ禍を考えると不特定多数が使用している場所を利用しなければいけないリスクは家で暮らす以上にあるでしょう。
それでも「車中泊」を選ぶ理由ってどこにあるのでしょうか。
コロナ禍の時代は、そんなバンライフで暮らす人々に苦難を与えているでしょう。