テレビ番組で観た「山里の暮らし」
最近、山奥で半自給自足のような生活を営む家族や夫婦を取り上げた番組を観ます。
特に望んでそのような暮らしを始めた人たちの多くが、「オシャレ」です。
ここで言う「オシャレ」とは、理想郷のような夢物語の世界観ではなく、「自分らしいこだわり」を持って生きている状態を指します。
たまたま拝見した番組で、番組名もわかりませんが、田んぼを持ち、畑も持ち、鶏を飼って、半自給自足の暮らしをされていました。
沢から冷たい水を田んぼまで引いたのも、家族だけで行ったそうです。
決して簡単な作業とは思えませんが、昔とは異なりYouTube コンテンツとして人気が出るでしょう。
それこそ、自分らしく生きられるでしょうし、いやいや仕事をして愚痴ばかりの生活ではありません。
以前なら、そんな暮らしを維持するには仕事面での大きな問題があったはず。
でも、YouTube によって、収益化しやすくなったでしょう。
「バンライフ」と何が違う!?
「山里の暮らし」同様に、「バンライフ」でも自然を求める人は少なくありません。
実際、キャンプ場やRVパークのある場所は、山や海、川などの自然に触れられるエリアも少なくないからです。
強いて違いをあげるとするなら、「地に根付いているか?」ではないでしょうか。
これはとっても面白いポイントで、みんなにとって憧れる自然との共存とは、その地に根づいている田植えや野菜の栽培、家畜の飼育そして、自然から採取して作る料理などでしょう。
似たようなことも、プランターを使えば再現できなくはありません。
事実、発泡スチロールのケースで、稲作を模したことがあるからです。
そんな環境でも米は採れます。
ただし、一株から得られるのは米1合から2合程度。
茶碗で一二杯の分量です。
子どもの頃の自由研究的な試みならそれもまたありですが、「山里の暮らし」から連想するイメージとは少し異なります。
バンライフの良さ、自由に行き来できることが返って、「地に根付いた暮らし」を連想させず、視聴者にすれば「見てみたい興味」が一つ減ってしまいます。
でもこの「一つ」がとても大きく、「バンライフ」と「山里の暮らし」を大きく隔たせてしまうのでしょう。
「バンライフ」の魅力
「バンライフ」というと、なんとなく「日本一周」というイメージ。
都道府県制覇のように言葉を使っている人もいます。
しかし、それだけでは興味も湧きませんし、インパクトも弱い感じ。
つまり、バンライフの良さは、「取材力」ではないでしょうか。
演者となる人たちを通して、訪れた土地で受けた印象をどう伝えられるか。
そのために、映像や言葉を駆使します。
スタイリッシュな方向に進むのは受け入れてもらえません。
なぜなら、少なくとも都心部の人達は、都会の快適な環境に暮らしていて、バンライフからスタイリッシュを感じたいとは思っていないからです。
むしろその方向性に進むなら、国内ではなく海外でバンライフをするべきです。
気軽な国内のバンライフを選ぶ以上、自然と親しむようないい意味での「泥臭さ」がポイント。
ある意味で、昔ながらの食卓で見るようなベタさが、落ち着きます。
若い人向けなら、最新のキャンプグッズも関心を持ってもらえるかも知れませんが、例えば自家製味噌とバンライフのお供にして、旅先ではみそ汁を作るという特徴を持たせても面白いはず。
また、SNSを駆使して、山里で暮らす人とコンタクトを取り、田植えや収穫に参加させてもらえたらありがたいでしょう。
いずれにしても、「取材力」をどう伝えられるかがバンライフ継続させるポイントとなってくるはずです。