「バンライフ」の理想と現実!?

 「めぐちゃんTV」をご存知だろうか?

似顔絵が似ているかどうかは疑問だが、以前から「めぐちゃんTV」を運営されている高稲氏が投稿しているキャンピングカー系コンテンツを定期的に視聴していました。

彼は、国内キャンピングカービルダーのnutsが販売しているキャブコン「クレアエボリューション」を所有されています。

このキャンピングカーは定価1000万円を超える高額なもので、家庭用エアコンや電子レンジなど、多くの豪華な装備が付いています。

こみちが興味深く感じていたのは、「キャンピングカー」を主体に考えているのではなく、仕事を持ち、住まいを持ち、これまでの生活にプラスする形で「キャンピングカー」の活用を目指している点でした。

そんな高稲氏が投稿された「キャンピングカーの理想と現実!3年で2台乗ってきた結論!」と言うコンテンツでは、彼目線の独自な視点を紹介されています。

こみち自身は中高年で、メリットだけを優先した選択肢が選べる年代ではありません。

それだけに、彼が指摘している内容に思うところもあり、また以前にアメリカでのバンライフを知った時に感じた国内事情との違いを踏まえて、共感できる部分があります。

こみちが描く理想のバンライフ

ひと言でいるなら、今の居住環境に「移動可能」をプラスしたようなバンライフです。

しかし、キャンピングカーの性質を踏まえれば、ベース車両の対価荷重限界値に近いキャンピングカーの安全性が問題視されています。

それだけ車中泊さえできれば良いと言うものではなく、家同様の暮らしを求めた結果、車重が増加してしまったキャンピングカーも多いと言うことでしょう。

重いキャンピングカーで長い坂道を下るような時に、制動力やフラつきなどで運転手が怖い思いをしてしまう話はよく耳にします。

ただ、ビルダー(キャンピングカーの製造販売メーカー)が安全性を考慮した製品作りを目指したくても、それでは購買意欲をそそりません。

イメージとしては、テント生活をベースに天候不順で車中泊をすると言うユーザーならまだしも、家同様の快適さを言う視点でキャンピングカーを購入するなら、エアコンも必須ですし、車内での調理も遜色なくできて欲しいのです。

一方で、国内のキャンピングカー事情はこれからなのだろうと思わせるのは、バンライフに向けたインフラ設備が全国的に整っているとは言えないからでしょう。

以前から、キャンピングカーは欲しいけれど、購入してどこに行けばいいのかと言う素朴な疑問があったからです。

と言うのも、キャンピングカーをオートキャンプ場や道の駅、RVパーク等に停めることになるとするなら、それだけでも意外と制限があると感じます。

普段何気なく生活している住宅と比較して、治安面での不安が無いとは言えません。

キャンピングカーはその外観からも目立ちますし、住宅では当たり前の「水平」さえ移動する度に調整するしかありません。

エアサスでも付いていて、停車すると自動で水平になると嬉しいのですが、例えばそんな当たり前だけど気になる部分に触れた国産キャンピングカーは見たことがないですし、それこそ社外品でカバーするとなれば、車重の増加が気になるといういたちごっこです。

「キャンピングカーかのだから」

結局のところ、家同様という考えを諦めて、キャンピングカーというツールを楽しむのが正解だとするなら、極端な話、軽キャンカーでいいように思うのです。

もっと言えば、マイカーで移動し、気に入った場所を見つけたらその近くの宿泊施設を予約して旅をするのも方法だからです。

なぜなら、キャンピングカーだけで大人二人が一週間生活することは難しく、燃料や水の管理、食料や洗濯物、生活ゴミと、日常生活では当たり前のさまざまなことがついて回ります。

特に「日本一周」という視点から、ただ都道府県を巡るだけでは何も感じることはないでしょう。

こみち自身は、バイク旅で経験したのですが、街から街への移動も三日を過ぎれば日常なり、特別な感動は生まれません。

というのも、それぞれの町は、そこに暮している人々が快適に暮らせるように発展してきたはず。

つまり、良くも悪くもどこの街も似たような面があって、新しい街に到着しても、過去に巡ったいろいろな街から想像できてしまうのです。

ここで、例えばアメリカにおけるキャンピングカーを使ったバンライフでは、広大な大陸を移動しながら、観光地としてトレッキングができたり、カヤックを楽しめたり、ショッピングはもちろん、観光もできてとそれこそそれぞれが思い描く「バンライフ」を実現できるはずです。

そこにはバンライフが特別なものではなく、それだけ一般に広く普及していて、またキャンピングカーを使っていなくても楽しめる選択肢の幅があるからでしょう。

しかし、国内では5メートルを超えると一般的な駐車場は使えませんし、その広さでは車内で大人が行き来するのも大変です。

それこそ6畳くらいの広さだけで24時間を過ごすようなものなので、特別なこだわりがなければ不便が出ないはずはありません。

YouTuberで稼ぐ!?

きっと、5年くらい前からビジネスチャンスに気づいた人は成功したのでしょう。

しかし今から始める場合、増加する同じカテゴリーのYouTuberと競合することになるので、そこから抜け出すのは容易では無さそうです。

というのも、このカテゴリーでキャンピングカーそのものを紹介したり、車中泊や車内飯のコンテンツをあげるまではだいたい差はありません。

しかし、そこから人気が出るかどうかは、演者のキャラクター次第ではないかと思うのです。

というのも、これまで紹介したように国内旅でキャンピングカーを使うメリットはあるものの、それだけで生活するのはデメリットも多いことが伺えます。

仕事を捨ててバンライフを公開し、その収益だけで生計を立てるのはもう難しい話でしょう。

中にはしっかりと視聴者を集めている優良コンテンツもありますが、キャンピングカーの原則的な部分には触れず、楽しさなどを伝えた内容になっています。

特に、対価荷重の制限が厳しい車両を使ったキャンピングカーであっても、平素の運転フィーリングにとどめるなど、万が一の危険リスクにまでは言及しないことで、キャンピングカーの魅力や可能性を最大限に伝えていたりします。

でも、そうでもしなければ、海外でのバンライフとはかなり事情が異なりますし、国内であればインフラの整った地域や、むしろテントを楽しむようなアウトドアに振った方がいいからです。

確かにキャンピングカーに対するイメージは、とても大きなものです。

リモートワークが広く普及し、移動しながら仕事もできると想像される人が増えたのも理解できます。

しかし、仕事で疲れた帰宅し、風呂に入って食事をして、布団で寝て翌朝を迎えるという生活を思い出せば、毎日移動して停車できる安全な場所を探し回るのは容易なことではありません。

また、そこに30分でも1時間でも費やすことで、別の何かを犠牲にしていることになります。

案外、キャンピングカーだけのバンライフも、自由と引き換えに、新たな自縛を抱え込むことになるのでしょう。

中高年になると、一泊二泊くらいなら、公共機関で快適に移動し、食事も寝るところもホテルを選びたくなります。

別に豪華な装備など要らないので、日常生活に近い環境を手軽に手に入れたいと思うのです。

結局、バンライフを楽しむにはキャンピングカーだけの話ではなく、それを支えるインフラがともなってこそなので、快適に安全な移動生活がもっと気軽に行えるようになるといいでしょう。

YouTube で稼ぐなら、キャンピングカーそのものをネタに広げるよりも、ドラマ性を加えて、演者同士のやりとりやエピソードで物語を作る方が面白いかもしれません。

高稲氏のコンテンツを視聴したことから、バンライフのことをあれこれと考えてみました。

でも、キャンピングカーって秘密基地みたいで夢がありますよね。


↓なかなか興味深い話でしたよ!



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