キャンピングカーから古民家、そして…。

 キャンピングカーブームも落ち着いて来た!?

ある女性キャンパーからの話では、キャンプブームとは言え女子にとってイメージと現実は異なるそうだ。

確かにバイク乗りだった頃、休憩で立ち寄ったコンビニの駐車場で、車止めに腰を降ろしアスファルトをテーブルに腹ごなしもできた。

でも車でドライブしている時には、絶対にそんな気持ちにはなれない。

なぜって、車内で食べることができるからだ。

キャンピングカーを住まいとして使い、YouTube やライティング、短期単発の仕事で食いつなげたとしても、ビジネスモデルとしては万人向けとは言えないだろう。

YouTube の収益化を目指すだけなら、もう少し制作コストを抑えたコンテンツがありそうだし、ライティングで言えばキャンピングカーを住まいにせずに、「旅」くらいの括りでキャンピングカーから旅行、自転車、キャンプ、鉄道と、もう少し幅広い視野で活躍を考えたい。

むしろ、キャンピングカーだけに絞り、そこでビジネスチャンスを狙える人はそれだけこみちには見いだせない採算が見込めているのではないだろうか。

キャンピングカーから古民家へ

キャンピングカーで全国各地を巡った時に思うのは、「安定した暮らし」ではないだろうか。

同じ中高年でもまだ30代なら、キャンピングカーだけの生活でも怖さを感じないだろう。

しかし、中高年でも50代を迎える頃になると、「家」が無いことは将来的にも不安がある。

と言うのも、高齢者が保証人を立てずに賃貸住宅を借りるのは簡単ではない。

つまり、ある年齢を迎えてマイホームがないと、キャンピングカーで暮らすのは将来の悩みを一つ持ち越しにしてしまう。

実際、キャンピングカーだけでは住民票を取ることはできず、なんらかの手段を使って問題をクリアしなければいけない。

実家や友人を頼ることもできるが、現実的な話、こみちは迷惑を考えるとお願いできないだろう。

だから、キャンピングカーのみの生活は考えることが難しく、少なくとも家とセットになる。

今の住まいを処分するとしても、例えば田舎で古民家を買い、修繕しながら維持することになるだろう。

真面目な話をすると、不動産は所有者になると少なからず固定資産税が発生する。

キャンプブームで山を買う人を見掛けるが、手放したい時に手放せない土地は、所有している限り税金の支払いが付き纏う。

さらに、民事的には所有者には安全管理義務があって、例えば不法投棄された物だとしても、第三者から見ればその処分が求められる。

管理不足から出火元になれば過失責任を問われ、場合によっては損害賠償の対象にもなってしまう。

イメージとは異なり、管理が行き届かない土地を持つことは、それほど簡単なことではなさそうだ。

古民家にしても、土地によっては建て替え不可という場合もある。

それが理由で手放したオーナーがいるように、古民家を買う時もどんな条件や制約が付いているのか確認することが大切になる。

古民家から…

こみち自身、生まれ育ったのは田舎だ。

のどかな場所で自然も多い。

一方で、都会とは異なる習慣やしきたりもあって、田舎特有の暮らしもイメージとは少し違う。

特に、買い物をする時に、近くに店が無ければ、車が必須になる。

車を運転できない年齢になると、その土地で生きるのは難しい。

病院や役場に行くにしても、車を使わない生活など考えられないだろう。

ある意味で古民家での生活は、クラシックカーを所有するみたいなもので、車のメンテナンスができる人でないと維持できないのと同じだ。

コスパの良いコンパクトカーで十分な人は、ある程度街中で暮らした方が便利だし、不備も補える。

でもそこでの暮らしは、いつしか窮屈に感じるのだろう。

高齢者ほど、都心部のマンションが暮らしやすい。

近くに病院もあって、歩けば店もある。

間違えても隣の家が数キロ先までないような場所で暮らすのはよく考えてからにした方がいいだろう。

そんな風に考えると、自由も大切だけど、資金も大切で、都内とは言わなくても、都心部で暮らせるくらいの預金は必要だ。

35年ローンを組むとしても、50歳ではなかなか審査も通らないだろう。

それなりの年齢でマイホームを建てるべきだし、ある程度の年齢になって考えるなら頭金をかなりいれて短い年数で返済できるようにしたい。

そんな風に考えると、キャンピングカーのみで全国を巡る覚悟は、旅の覚悟だけではない。

もっとも大きいのは将来の生き方を維持できるのかってところ。

特に持病や健康状態に気になるところが有れば、なおさら、リスクの多いキャンピングカーのみに生活は選択できないだろう。

ノマドを始めた頃、目安に考えたのはサラリーマン時代の月収の3倍で、実はそれくらい稼げないとサラリーマンを続けた方が最終的にはリスクが少ない。

ローンを組むための社会的信用を見ても、勤続10年以上のサラリーマンと始めて数年の個人事業主では扱いがまるで違う。

もっともそれを補うには資金を持つことで、預貯金が数千万円単位であるような場合は別だが、普通はサラリーマンは収入額以上に社会的に信頼される。

自由に生きる方が好きだけど、それをするには覚悟も必要だ。

特に旅の苦労ではなく、老いてしまう肉体で苦労する覚悟ができるかどうか。

40代で正社員になれる人は少なく、ノルマや成果を問われるような仕事なら精神的な苦労も多い。

20代で選べたような条件で採用してくれる企業に出会えたらいいが、未経験でもいいという会社はそれなりに限定されるだろう。

だからこそ、Twitterなどで自由にキャンピングカーで生きる人に憧れる。

そこに踏み出す勇気や突破力は、尊敬に値する。

コロナ禍の時代に、1000万円をキャンピングカー購入に踏み切れる決断力を持つ自信がない。

それなら、投資額を増やして運用したいと思ってしまう。

キャンピングカーブームは、この先、壁を乗り越えることができるだろうか。



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