地方再生を目指すには
まず、減少傾向にある人口を踏まえると、これまでのように人口が分散すればランニングコストは増加していくだろう。
その結果として、有効な仕事が地方で少ないとなったとしても、自然の流れではないだろうか。
言い換えれば、都市部と比較して、地方で発展しやすい職種はそれなりに限られてしまうのかもしれない。
例えば、美容院で行う「カット」も、一回1000円という場合もあれば、数千円を超えるケースもある。
もっとも都市部の場合、店舗の賃貸料が高いこともあって、それが価格に反映してから、同額にはならないのも当然だろう。
しかしながら、サービスの利用代金は、行為そのものだけでなく、付加価値によっても変わるから、需要がない場所ではどうしても価格アップは厳しい。
リモートオフィスのような活用なら、どこで作業したのかに関わらず利益に結びつきやすく、その意味では可能性もある。
しかし、同じような活用で工場を建設する場合、輸送コストや人材確保の点で候補地は絞られてしまう。
山間部のような地域での再生は、同じ地方再生でもさらに条件が厳しくなる。
空き家率が20%になる地域もある!?
つまり5つの建物があっても、その内の1軒は空き家だと言うことだ。
東京でも10%程度になる。
持ち家を売るような場合、買い手は既に空き家となった物件を含めて条件を絞り込むだろう。
空き家率がさらに高くなれば、持ち家だとしても思ったほどの金額で売れない可能性もある。
まして地方の空き家率は都市部に比べて高い傾向だから、古民家のような物件を手に入れても手放したい時に買い手が見つからないことも起こる。
キャンピングカーを活用できないだろうか?
最近のキャンピングカーは、連泊もできてしまうほど、装備が充実している。
無いのは洗濯機や浴槽、シャワーなどで、冷蔵庫や電子レンジ、テレビなどは割合と装備されているモデルも多い。
例えば、大衆浴場とコインランドリーがその地方にあれば、キャンピングカーだけでも数日間なら定住できるだろう。
さらにガソリンスタンドやスーパーも有れば、1週間単位で住み続けることもできる。
しかし、リモートオフィスのような形態なら、自由に移動できるキャンピングカーは地方に集まる理由も見当たらない。
むしろ、その地域にいることが条件となる、例えば農業支援のような職種でないと、メリットは少ない。
ここで、もう一度、地方の空き家率が参考になる。
つまり、もともと地方には空き家があって、「住む」だけなら物件には困らない。
と言うことは、空き家も無いような山間部でキャンピングカーのような移動可能な車が活かせる場面を考えないと始まらない。
以前、介護業界の人材不足を踏まえて地方での介護施設運営を地方再生と結び付けられないかと提案した。
なぜ、キャンピングカービルダーの多くが、キャンピングカーの装備面をアピールするのか分かる気がする。
仕事をする人がキャンピングカーを住まいを積極的に選ぶ理由となると、ビジネスの種類や増えている空き家などを考えても、現時点では活かし方が思いつかない。
リモートオフィス的な活用や介護意外となれば、理美容やマッサージなどがあるが、活用方法としては限られてしまう。