NUTS「ボーダーバンスク」の存在
キャンピングカーショーに足を運んだ時に、「あの一台が横綱だなぁ!」と思ってしまうのはいつも「ボーダーバンスク」だったりします。
金額でもサイズでも、国内使用を考えるとこれ以上はないと思えるからです。
さらに言えば、キャンピングカーに興味がない人を招いても、「この車イイね!」と言ってもらえるでしょう。
その理由は5メートルクラスでは難しいゆったりとした車内空間が挙げられます。
実際に一つひとつがキャンピングカーサイズではなく、一般家庭用に思えるからでしょう。
「車内だからこれで十分」ではなく「家で寛いでいるような感覚」を体感できるのは、このボーダーバンスククラスこその演出です。
死角は無いのか?
所有したことも試乗したこともないので想像の域ではありますが、やはりその車格でしょう。
ただ、以前の会社でコースターを所有していて、それに乗車することが多かったことから、運転に慣れた人なら一般道で苦労することは無さそうです。
しかし、山の中にあるキャンプ場や、道の駅だとしても、中型車用の駐車場が必要なので、それにはかなり気を使うでしょう。
実は先日、雨降りの日に道の駅に立ち寄ったのですが、建物から遠い駐車場はやはり不便。
完全無欠な一台は無いけれど、そこは諦めるしか無さそう。
それに意外にもトラックが近いとアイドリングの音や振動が気になってしまう。
ボーダーバンスクを選んだら、車体の性能ではなく、環境面で強いられる部分はあるのかも。
5メートルサイズのキャンピングカー
国内での使用なら、「5メートルサイズ」が基本でしょう。
5メートル30センチがだめなのかは微妙な話で、例えば道の駅やサービスエリアの駐車場を利用する時に一般車両として停められることがポイントです。
YouTubeの動画で、5メートル23センチの新型SAKURAが駐車場に停車している場面があって、確かにいっぱいいっぱいではあるけれど、停められなくはないかもというサイズ感でした。
となると、23センチオーバーを超えて30センチ、40センチとなると、それだけ一般車両として扱うのは不便も増えてしまいます。
実際、フェリーに乗船する時も車検証で車格を伝える必要がありますし、5メートルを境に値段が変わってしまうケースも多いので、「5メートルサイズ」という大きさはキャンピングカー選びでも目安になるでしょう。
気になるサブバッテリーの用量
リチュウムイオンバッテリーを搭載したモデルに注目が集まり、各ビルダーも充電機能を強化しているように思います。
NUTSの場合も「ハイパーエボリューション」という新しいシステムに移行が始まり、ボーダーバンスクでもその恩恵を受けたモデルが紹介されました。
搭載されるバッテリーは大型化されると、初日は問題なく家電製品が使えるものの、翌日になると残量の乏しい状態に陥ってしまうことがあります。
そこでNUTSの場合、「ハイパーエボリューション」システムを搭載することで、以前からある「エボリューション」以上に効率的な充電環境を手に入れました。
例えば、日本特種ボディーも電気に強い新型SAKURAなどがありますが、こちらは走行によって得た電力を24Vで管理し、天井に搭載されたソーラーパネルの発電と合わせて、充電を補います。
雨天や積雪などでソーラーパネルによる発電力が見込めない場合、外部からの充電に期待するしかありません。
その意味では、走行による充電でどこまで回復できるのかもポイントでしょう。
というのも、駐車場などで車を止める際、真横の車がディーゼル車で、しかもアイドリングしたままだとやはり振動や騒音は耳についてしまいます。
キャンピングカーのエンジンは、ガソリン又はディーゼルだと思いますが、重い車両ほどディーゼルを採用しているでしょう。
ボーダーバンスクの場合もディーゼル車なので、気軽にアイドリングしようものなら、隣の一般車の搭乗者に迷惑ではないかと心配です。
特に周囲が静かな夜間帯は、アイドリングすら容易に使えない状況で、ある程度のサブバッテリーを搭載したくなるでしょう。
キャンピングカーショーでNUTSの販売員が説明している話として、時速80キロ走行中に100〜120Aの発電が可能なのだとか。
これがアイドリング中でも60A程度は期待できる。
つまり計算上、高速道路を4時間走行すれば満充電、アイドリングなら8時間程度必要になる。
しかもこれは急速充電モードで、従来のエボリューションでは45A程度らしく、9時間程度必要になる。
もちろん、これらは空からの満充電の場合で、半分程度の充電なら時間も半分で済むことになる。
週末などに一泊二日で使うなら、充電はそれほど大きな問題ではない。
でも、一週間を超えるような長旅になると、いかに充電して行くのかは今時のキャンピングカーの悩みだろう。
こみちの体験としては、日中に2時間程度のアイドリングが限界だし、走行による充電では旅の計画との絡みで、長旅ほど移動距離は短くなるから、RVパークなどで外部充電を使うか、ソーラーパネルを活用するかなどに制限されてくると思う。
キャンピングカー選びの上で、「充電環境」がポイントになるのだろう。