「キャンピングカー」で描く理想

 キャンピングカーはモーターハウス!?

まず、キャンピングカーにモーターハウスや狭小住宅の良さが描けるかがポイントでしょう。

田舎町よりも都会に映える「狭小住宅」は、家そのものはもちろんですが、周辺の立地環境もまた生活するうえでのエッセンスとして捉えています。

いわゆる大きな家で、広々とした寛ぎが最大の魅力とするなら、狭小住宅では物理的な豊かさではなく、狭くても快適な心地良さが「設計上の落とし所」となります。

つまりは、「何でもあるよ」というスタイルではなく、その方の「快適性」を掘り下げることで、本質を見極め、限られた空間に必要とされるものはしっかりと確保し、でも兼務できる部分や削ぎ落としてもリカバリーできる部分はあえて含めない見切りが勝負なのです。

キャンピングカーで例えば、バスコンが大きな家で、キャブコンが一軒家、バンコンが狭小住宅で、軽キャンカーがワンルームと言った具合でしょう。

その意味では、バンコンで一軒家を目指すとアンバランスでとてもまとまりの悪い一台になってしまいます。

また、そもそも大家族なのに、ワンルームを選ぶことがないのも当然です。

キャンピングカーにおける「街並み」とは?

東京でも、地域によってその土地らしさや魅力が異なります。

言い方を変えれば、別の地域の魅力を別の地域で再現するのはそれなりに簡単ではありません。

つまり「富士山が見えるロケーション」に憧れたなら、どうしたって山が見えなければ始まりません。

その時、キャンピングカーの魅力に目を向けると、どうしてもまだまだ車体に関する魅力が中心的です。

それは、一軒家でも狭小住宅でもワンルームでも、家そのものでしか評価していない状態です。

しかし、狭小住宅の魅力は物理的な家だけでなく、見晴らしや立地が加わって、その価値が高まります。

そのためには、その土地の魅力に合わせた設計を施すことが必要です。

ところがキャンピングカーそのものを評価対象としているのは、以前にも触れた部分ですが、「キャンピングカーでどこに行けば良いのか?」という疑問にまだ答えが見つかっていません。

例えば「車中泊」でまとめられる使い方しかないとしたら、そして、車内でカセットコンロを使い、鍋やラーメンを啜ることがすべてなら、本当にそれを目指してキャンピングカーを購入するでしょうか。

狭小住宅を選ぶ場合、こみちなら少なくともマイカーが置けるスペースを確保し、さらに音楽が心地よく聴ける音響機器を揃え、さらにデジタル機器を使って作業できるスペース、そして使いやすいキッチンも欲しいところです。

マイカーを置くスペースが難しいなら、バイク一台置けるだけでも構いません。

玄関をドアでは無く引き戸にして、そこに土間のような空間を作り、愛車を置きたいのです。

元々が狭いので、全てを叶えることはできないのですが、そこは工夫と優先順位で、プランを煮詰めていくでしょう。

しかも一歩外に出れば、自分が求めた街並みに溶け込み、そこで暮らすことに喜びを感じられます。

それこそが狭小住宅の魅力ですが、趣味性の高い思考の人でなければ、ただただ狭いだけの家になってしまうでしょう。

つまり、バスコンでしか満たされない人にとって、それよりも装備が劣るバスコンは低評価になるのですが、「目的」と「見切り」次第では「小ささ」が大きな魅力であることに気づかされます。

キャンピングカーでしか得られない満足感って?

「どこでも時間に関係なく?」という魅力がキャンピングカーにはあります。

宿泊施設ならチェックインアウトの決まりがあって、でもキャンピングカーならどこでも気にせずにいつまでも自由だという考え方です。

しかし、自由に見える飛行機や船も、実は行き来できるスペースは決められていて、決して自由奔放で良い訳ではありません。

同様にキャンピングカーでも、自分の敷地でもなければ、その場所に合ったマナーに従うのが常識です。

こみちは以前からキャンピングカーの魅力って何だろうと考えてきました。

その糸口が、仕事との連携です。

仕事には目的や目標があって、それを叶えるためにどうキャンピングカーを使うことが分かりやすいと思ったのです。

例えば、全国を回るような仕事をしている人なら、当然生活拠点も変化します。

そこでキャンピングカーをモーターハウスとして考えて、生活しても面白いでしょう。

しかし現実的には、トラック運転手のような場合、仕事で全国を巡るものの、生活品全てを持ち運んだりはしないで、車内で簡単な食事や仮眠ができ、それ以上はそれに応じた施設を使うことで補っています。

つまり、狭小住宅と同じ考え方で、全てを家の中だけでも完結させようとはしていません。

そうすることで無駄が減り、本来の目的をより効果的に発揮できるからです。

例えば、キャンピングカーという環境だから、電子レンジの簡単料理が美味しそうに思うとしたら、すでに一般住宅に住んでいる人にはキャンプ感覚か、至って平凡な食事に他なりません。

キャンピングカーであっても、一般住宅での料理に負けない工夫があるなら、それはモーターハウスの良さと言えるでしょう。

学生時代、下宿先でホットプレートを使っていろんな料理を作りました。

何かを焼くという使い方ではなく、麺を茹で、カレーやシチューを作り、もちろん鍋もすれば、油で揚げ物も出来ました。

全て数えたら100種類くらいはあったでしょう。

でもそれをキャンピングカーでもう一度してみたいかというと、今さら感があります。

なぜってもっと簡単にできる方法があって、当時はお金がなくて工夫するしかありませんでした。

しかも、自分でアレンジするのも楽しかったので、それはそれで良かったという話なのです。

キャンピングカー購入の目的が、学生時代の思い出話を再現すること?

正直、そこには魅力がありません。

だって、今の家にはもっと快適なキッチンがあって、限られた調理器具で工夫する意味がないからです。

少なくとも、家では叶えられない良さがもっと明確に感じられるキャンピングカー業界にならないかと思っていて、それはつまり「どこに行く?」の答えが知りたいのです。

キャンプ場なら、テントやバンガローではダメなのか。

道の駅やサービスエリアなら、ビジネスホテルでは代用できないか。

その意味では、もう快適に泊まれることがキャンピングカーの魅力ではなく、どのようなライフスタイルに適合するかまで踏み込めたらと思ってしまいます。

アルファード以上のラグジュアリーさと、ホテルや民宿以上のもてなしを、キャンピングカーでどう再現できるでしょう。

それは狭小住宅を郊外に作るみたいなもので、狭いことの理由が見つかりません。

各ビルダーが、自身で旅の様子を発信し、どこでどんなスタイルが描けるのか示してくれたらと思うのです。

そうすれば、キャンピングカーも、狭小住宅のようにその街並みに合った価値観を持てるようになるからです。

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