「1000万円オーバー」のキャンピングカーに必要なもの

 軽キャンやバンコクに立ちはだかる「160センチ以上」の壁

近年、キャンピングカー登録を満たす条件の一つとして、車内高がギャレー又は洗面台を使用する際に160センチ以上なければいけません。

しかし、バンコンのベース車両とされることが多いトヨタのハイエースですが、通常用途で販売されるモデルの中でも車内高がある「ハイルーフ」でさえ、この160センチ以上をクリアできません。

つまり何らかの工夫や改造がなければ、バンコクタイプのキャンピングカーとして登録できないことになってしまいます。

また、高さ制限がより厳しくなる軽自動車の場合は、なおさら160センチ以上の条件を達成するのは難しいのです。

そこで、多くの軽キャンやバンコンタイプのキャンピングカーが、ポップアップルーフを採用したり、ハイエースでありながら後部を造り変えるなどして、この「160センチ以上」を満たしています。

では、仮に160センチ以上の壁をクリアした時、車内外では何が起きているでしょうか。

1つには車内上部に収納スペースを確保することが難しくなってしまいます。

さらに、最近のキャンピングカーではニーズも高い電子レンジやエアコンですが、その動力源はバッテリーであり、さらに充電には走行による発電や外部電源の他、ルーフに乗せたソーラーパネルも人気の方法です。

不可能ではないにしても、ルーフが持ち上がるタイプの場合、電力確保の一つ「ソーラーパネル」が設置は要確認でしょう。

これまでの話から分かるように、キャンピングカーでも軽キャンやバンコンの場合、車内高確保と言う条件を満たすために「厳しい制約」が生まれ、あえて逆を言えばこの条件を満たさない選択肢もあるはずです。

もちろん、キャンピングカー登録はできませんが、軽自動車の場合には税金面でも安価ですし、使い勝手を優先した車選びもあるからです。

キャンピングカー選びの基本

例えば、車内高を確保されたキャブコンタイプのキャンピングカーもたくさんあります。

「全長5メートル以下」を満たしていれば、普段使いもできるでしょう。

一方で、キャンピングカーを使った長旅を計画していて、夫婦で北海道や全国各地を巡ってみたいと考えた場合、収納スペースがどれくらいあるのかが重要です。

確かに見た目のデザインや照明器具の配置も女性向けに訴求力がありますが、1週間を超える旅ないなれば、手荷物のほかに生活ゴミや洗濯物置き場など、生活スペースとなるキャンピングカーだけに意識したい項目です。

キャブコンやバスコンタイプのキャンピングカーは、多くが後部に大きな荷物室があります。

後方からしか出し入れできないモデルもあれば、左右からでも取り出せるモデルもあって、また車内からアクセスできると雨などで外に出たくない時に便利でしょう。

次に確認したいポイントが、メンテナンスや安全性の管理です。

車両が故障した場合に、どのような方法で旅先から戻れるのでしょう。

また、冬場などで暖房設備がエラーを起こした時に、どこに連絡すれば良いのかも気になります。

メーカー保証の期間や内容もまた、実際に購入する場合の確認ポイントでしょう。

「1000万円オーバー」のキャンピングカーに必要なもの

いろんなビルダーがキャンピングカーを製作販売しています。

それぞれの用途や目的に合わせて、サイズも装備も異なるモデルがあります。

一方で、「1000万円オーバー」となるキャンピングカーは、メーカーのフラッグシップモデルだったり、海外製のモデルだったりします。

特に海外製モデルは内装面のデザイン性はもちろん、キッチン、浴室、ベッドなどに対する豪華さが国内モデルと異なります。

その背景として、外部からライフラインを確保できるモーターハウス文化が根付いていることもあげられるでしょう。

つまり、国内のキャンピングカーではリチュウムイオンバッテリーの搭載し、エンジンを止めた状態でエアコンなど長時間稼働させられる仕様になっていますが、海外の環境では「外部電源」が常識で、設計を始めるスタートラインが異なっています。

逆に、トイレはもちろんシャワー浴ができるモデルが多いのも海外モデルならではで、国内モデルではトイレすらマルチルームとしてオプション販売されるほどです。

やはりキャンピングカーとして使う以上、そこでいかに安全で快適に過ごせるかがポイントで、いつも座るチェアーは、肌触りよく適度にクッション性もあって、背もたれと座面の角度も座りやすいと嬉しいでしょう。

一方では、この場所をベッドとして使うために、座り心地を犠牲にしてもフラットな形状にしたいと言うビルダーの思惑もあります。

そこで、睡眠は後部の常設ベッドを使うとし、チェアーには座り易さを優先したいと言うニーズも選択できるのは必要です。

車内で一日の大半を過ごすつもりなら、座り心地の良し悪しは重要だからです。

また、車内で音楽を楽しみたいなら、高音質のスピーカーや高画質映像を楽しめるモニターがあると便利です。

しかし、趣味の登山や温泉への移動にキャンピングカーを使うと言うなら、スピーカーやモニターよりも、専用道具の収納スペースを確保したいかもしれません。

むしろ疲れた体を癒すために、オプションでも良いからマッサージチェアーを選択できたりすると、よりピンポイントで満足度を高められるでしょう。

夫婦で長旅をするためなら、夜はお酒を囲んで、雰囲気のある照明に切り替え、窓から景色を眺めたくなるかもしれません。

でも隣の車の騒音が耳障りなら、開けた窓をサッと閉めるだけで遮音できると嬉しいでしょう。

そんな細々とした目に見えない工夫こそが、高級なキャンピングカーの評価に繋がります。

現行で完成度が高いキャンピングカーを挙げるとすれば、やはりナッツのボーダーバンクスでしょう。

ベース車両もコースターですし、5メートルを超える大型キャンピングカーですが、車内の居住性に定評のある一台です。

また、こみち自身は、日本特種ボディーの新型SAKURAや、数年後に登場するであろう新型アサカゼに期待しています。

これらのモデルは、まずしっかりと走れる車両をベースに、安全性と耐加荷重に十分な余力を持たせているところがポイントです。

同じ装備を、例えば耐加荷重の異なるハイエースで実現するのは無理があり、車両選びがキャンピングカーの最終目標にも大きく影響します。

一方で海外製の車両をベースにキャンピングカーを作る場合、海外では重視されない国内特有の事情をいかに盛り込めるかがポイントです。

装備面ではサブバッテリーやソーラーパネルなどの電気システムで、もう一つが故障時の対応と修理の期間でしょう。

ある海外製モデルの販売店が東京にしかない場合、車両が北海道で故障しても簡単には持ち込みできません。折角の豪華装備も不安覚悟となってしまいます。

その意味でも、販売店が全国にどれくらいあるビルダーなのか、修理対応してくれる提携工場がどれくらいあるのかも大きなポイントとなるでしょう。

一般的な自家用車以上に複雑な構成なので、それに見合ったメンテナンスシステムがキャンピングカー選びにも繋がります。

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