箱根駅伝が楽しみになる年代

 「好み」は変わる

こみち自身、小学生の頃にクロスカントリーに参加して、走ることの楽しさを感じて来た一人です。

とは言え、近隣の小学校が集まって行う大会で、順位も下の方でした。

社会人になってからは、仕事の忙しさ?を理由にして運動からずっと遠ざかっていました。

ここ数年になって、同年代の同僚がランニングを始めたとか、ジムに通っているという話を聞き、流石に中高年で運動しないのもなぁと重い腰を上げ始めたという感じです。

箱根駅伝

箱根駅伝は、いわゆる関東圏の大学が参加する大会で、地方大会という位置づけ。

しかし、正月に開催され、何かとテレビ観戦することが多く、関東では「全国大会」と間違えるほどの盛り上がりです。

日本橋から箱根までとロケーションにも恵まれて、「あの辺りを走っているのか?」と想像しやすいのも視聴者には有り難いところでしょう。

かつては同級生、それがいつしか息子たち、そして今はもう孫?と、時の移ろいを強く感じさせるのも恒例です。

興味深いのは、大学別の順位だけでなく、それぞれのランナーの背景や思いに触れられる時。

大学を卒業して、ランナーを続ける人もいるのですが、選手としては一度区切りをつけるという学生もいて、「最後のレース」を意気込む姿が印象的です。

確かに、箱根駅伝の経験者でも、社会人になってマラソン選手へと進めのは一部の限られた人たち。

以前、そんなマラソン選手を選んだ新入社員のドキュメント番組がありましたが、箱根駅伝のエースと言われていても、企業に所属しているランナーは一枚も二枚も上手なんだとか。

考えてみれば、そこから国の代表としてオリンピックに参加できるのは、厳しいレースを勝ち抜いた選手だけで、その険しい道を選ぶことは容易ではありません。

だからこそ、箱根駅伝でランナーとして燃え尽きる気迫が、視聴者を強く勇気づけるのでしょう。

経験浅い一年生が経験豊かな四年生の背中を見つめて追い続ける姿や、ともに実力が拮抗し意地をかけてデッドヒールを繰り広げる様は、私たちの人生や日常そのものでもあります。

「負けたくない」と思ってずっと練習を重ねてきても、当日の体調不良もあれば、緊張感で頭が真っ白になることもあります。

誰もが同じような経験をしているからこそ、ランナーの表情に当時の自分を重ねるのかも知れません。

今年のレースは、復路の中盤からもう優勝校は決まったと思い、2位以下の学校へと興味が移っていました。

しばらくテレビから目を離して、再び戻って来た時にはトップが入れ替わっているではありませんか。

「ここだなぁ」と思いました。

こみち自身はもう確実に諦めていましたが、走っているランナーたちはまだまだチャンスを狙っていて、その熱意が冷めてはいなかったのです。

だからこそ掴みとれた「トップ」と追う景色。

本当に人生模様だなぁと思います。

すべてが上手く行くわけではなく、いろいろなことが起こるのですが、最後まで頑張ってみなければ、チャンスも活かせません。

もちろん、頑張れば良いとは限りませんが、そこには知らなかった景色があるはずです。

掴みかけた優勝が手のひらからこぼれ落ちた選手と、掴み取った選手。

それぞれに学ぶべきことがあって、きっと彼らはこれからの人生でそれらを教訓にするのでしょう。

こみちもまた、そんなシーンを目撃して、「頑張ろう」と思いました。

コロナ禍もあって、大変な時期ではありますが、皆さんにも幸多いことを願っています。

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