キャンピングカー選び
いろいろなサイトや雑誌を見比べて、失敗しないキャンピングカー選びがあると気付きました。
ポイントはいくつかありますが、その中でも「安全性」にどれだけ配慮されているかが大切です。
というのも、ビルダー(キャンピングカーの製造メーカー)は、限られた空間にどれだけ魅力的な装備ができるかに頭を悩ませています。
言うなれば、移動時は自家用車並みで、停車中はホテルや民宿、自室並みというのが理想形でしょう。
しかし、現実的には両者のバランスに加えて、「安全性」対策が施せるかもポイントなのです。
キャブコンとバンコン
キャブコンバンコンは同じキャンピングカーですが、キャンピングカーとしての理想形が異なります。
前提として、理想のキャンピングカーは存在しません。
だからこそ、ユーザーの目的や使い方に合わせて、理想形に近いモデルを作ることがビルダーの使命でしょう。
そう考えた時に、キャブコンの理想形とバンコンの理想形は明らかに異なっています。
その原因は、車として許容される「重量」に違いがあるからです。
正確な数字は控えますが、キャブコンタイプの場合、総重量が3トンを超えると車両としての耐加荷重に近づきます。
一方のバンコンでは、2トンから2半くらいで、装備として積み込める重さに約500キロの差があります。
つまり、バスコンを選んだら、キャブコン同等の装備を搭載することはできません。
もしもその原則を無視してフル装備にしたら、車体は重量オーバーの状態で、例えばブレーキが効かないとか、タイヤがバーストしてしまうような危険性が高まります。
もっと言えば、背の高いキャンピングカーにとって、天井付近に重い装備を付けるとカーブで遠心力が加わった時に、それだけ車体が外側に振られることになるので、重量だけでなくその配分にも緻密な計算が必要なのです。
ビルダーの方々は、少しでもユーザーの要望に応えたいと思い、でも絶対に守らないといけない原則にも従って、魅力あるキャンピングカーを誕生させます。
ある意味で、キャンピングカーづくりは「石積み」みたいなもので、最初の一個でできることが決まってきます。
中古車両を素人がDIY感覚で改造したキャンピングカーで、その際にリアシートを外したままでは車検に通りません。
最も注意したいのは、事故などで自動車保険を使うことになった場合、適切に保険金が支払われるのか事前に確認しておくといいでしょう。
キャブコンタイプを選ぶ理由は、車内滞在中の快適性があげられます。
バンコンにも屋根が持ち上がるタイプなら、車内で立つことができますが、積載物を上部に置くことはできません。
つまり、持ち込める荷物の保管場所で、キャブコンと明確な差があるのです。
実際、バンコンモデルのキャンピングカーにも、簡易的なキッチンや冷蔵庫が搭載され、キャブコンと変わらない装備に見えるモデルもあります。
しかし、空間が狭く、積載量が小さいバンコンなので、「常設ベッドが無い」もしくはあるとしたらその広さが「一般の成人男子には少し狭い」、又は「荷物室が小さい」というような部分で工夫しないと収まり切らないのです。
では、キャブコン一択なのかというと、そうとも言えません。
というのも、1トンや1トン半のトラックをベースに製造されたキャブコンの多くは、重量制限いっぱいまで装備されています。
その理由はとても簡単で、移動時に一般車両同等のバンコンを上回る「魅力」を上乗せしたいからです。
ここでポイントは給排水タンクの容量でしょう。
水1リットルは1キロなので、100リットルのタンクを装備すると重量は100キロ増しになります。
給排水タンク2つあるので、20リットルタンクにするか50リットル、100リットルにするかは頭の痛いポイントでしょう。
つまり、ベース車両が小型のキャブコンでは、車内調理からトイレ、シャワーをするで装備するのは設計上、問題も増えます。
2トンクラスの車両をベースにしたモデルも登場し、より重量オーバーにならない工夫が見られます。
しかし、どんどん車両を大きくすれば、狭い山道や温泉街などで苦労するでしょう。
それこそが、ユーザーの使い方に合ったキャンピングカー選びのポイントです。
降雪が見込まれるエリアに向かう場合
雪が降ると、天井に搭載されたソーラーパネルも役立ちません。
2トンクラスのトラックに搭載されることが多い、排気ブレーキも雪道では横滑りの原因になります。
もちろん、人里離れた場所で車中泊をすれば、予想外の積雪で身動きできなくなることも考えられます。
家同様の快適性があることと、自然災害を軽視した無謀な好奇心とは別物です。
いかに危険を察知して、危険な状況に身を置かない工夫も不可欠でしょう。
例えば、重いキャンピングカーで、深い雪道を走るのは不向きです。
しかも、チェーンやスタットレスタイヤも無敵ではありませんし、2輪駆動と4輪駆動でも安心感が違います。
こみち自身、以前ジムニーに乗っていて、4輪駆動の恩恵と「軽量化」のメリットを強く感じました。
もちろん、軽量化されると車の俊敏さは増しますが、高速走行時に横風には弱いとも言えます。
全てにおいて最強といういうことはありませんから、その車両の弱点もよく知っておいた方がより安全です。
スタックした状況になって、その場に自分しかいない場合、車両の燃料がどれくらい残されているとか、食料が残っているとか、その上で救済方法も考えましょう。
走破性の高いジムニーでも、完全にスタックしてしまうと脱出は容易ではありません。
まして、外部から救援を受けられない場合、空転したタイヤにどう駆動力を与えるかがポイントです。
しかし、降り続く雪の中では、時間との勝負で、対応を間違えると生命にも関わる事態を招きます。
そうならためには、「行けるかも」で危険な状況に踏み込ままいことでしょう。
重いキャンピングカーの場合、4輪駆動でも安心はできません。
できるだけ早い段階で、安全なところまで移動しましょう。
富士山が多くの登山者に親しまれるからと言って、サンダルで登る人はいないでしょう。
それに相応しい装備と経験を持ち合わせて、楽しむから良いのです。
周囲に同じようなことをする人がいない理由は、それだけ自分が危険な状況に踏み込んでいると考えることも大切です。
「若気の至り」で笑い話になれば良いですが、「誰か助けて!!」と自力脱出できなくなっては後悔しかないからです。
つまり、雪に強いキャンピングカーはもちろん、悪路に強いジムニーでも油断はできません。
一晩で数十センチも積雪がある地域にいれば、車の走破性などもう関係ないでしょう。
「雪が降る」ということをドラマチックに考えるだけでなく、その後の身の安全を考えて行動するようにしたいものです。