ハイエースの「ナロー」が選ばれる理由
キャンピングカーに興味がある人なら、ハイエースにもいくつかのサイズ違いがあることをご存知だろう。
大きな車両ほど便利な機能を設置できるのは当然だが、問題は旅先での取り回しに現れる。
バイクでもリッターバイクの強力な動力性能は快適さを生むが、慣れない人はその重さや扱いにくさが段々と嫌になって、結局は乗らなくなってしまう。
これがキャンピングカーにも起こるのだ。
何より大切なのは、「使うこと」。
スペックとしての高さではない。
だからこそ、いろいろとキャンピングカーを眺めて行くと、「ナロー」の良さに気づくのだろう。
特に個人ユースや夫婦二人旅なら、まずは「ナロー」という選択肢を検討して欲しい。
ケイワークスの「オーロラエクスクルーシブ」
ケイワークスのキャンピングカーは、個人的にも興味深いモデルが多く、とても気になるビルダーの一つだ。
そんなケイワークスから、「オーロラエクスクルーシブ」というモデルが誕生した。
もちろん、「ナロー」という車両も選べるのがポイントだ。
ハイエースを使ったキャンピングカーの多くは、バンコンタイプと呼ばれる。
その特徴は、外観が一般的なハイエース同様見えるところだろう。
つまり、「いかにも」という主張が少ないので、どこでもどんな用途でも気兼ねなく使えてしまう。
居住性という意味では、キャブコンタイプに劣るものの、先にも紹介したように「使うこと」が減ってしまえば元も子もないのだ。
「よし、キャンピングカーで出かけよう」と思えることが重要になる。
では、「オーロラエクスクルーシブ」の特徴を簡単に紹介してみよう。
ケイワークスのホームページにも特徴が記載されているのだが、こみちとしては「ナロー」としての器と、盛り込まれた装備のバランスに優れている部分に着目している。
ナローというコンパクト車両に、海外の大型キャンピングカー同様の装備は望めない。
だったら最初から、長さ7メートルクラスの車両を選ぶべきだ。
ナローは、ミニバンと比べてもそう大きさが変わらないサイズ。
そう広い空間がある訳ではない。
そのことを理解した上で、使用頻度が少ない「トイレ」を省いた。
常設ベッドを諦めて、ダイニングスペースとベッドを兼ね備えた。
一方で、ギャレーの他、電子レンジと冷蔵庫、エアコンを装備した。
この設計コンセプトは、ナローのバンコンタイプを作る上でのセオリーではないかと思う。
逆にもう一段階落とすなら、キャンピングカー登録を諦めて、ギャレーすら置かずにポータブルバッテリーを持ち込み、車内を簡単な部屋として過ごすくらいがいいだろう。
この仕様ならダイレクトカーズの「リトリートシリーズ」が近い設計コンセプトと言える。
「オーロラエクスクルーシブ」の良いところは、ベッド展開の簡単さにある。
マイカー乗っていて、三列シートをイジる機会がほとんどないと思うことはないだろうか。
シートアレンジは出来ても、普段は意外と使わないものなのだ。
「簡単」にできないと、「もうベッド展開のまま使おう」と横着してしまう。
まして、社外から操作しなければできない仕様だと、夜間や雨降りにはそのままになる。
「機能としてできる」ではなく、日常的に「使える」が大切なのだ。
ナローの場合、ガソリンかディーゼルを選択することになるが、基本はディーゼルが便利。
ガソリン車は静粛性に優れるものの、やはり動力性能ではディーゼルが心強いからだ。
又、山道や砂利道を進むのなら、2WDよりも4WDがいいだろう。
あとはオプションとして、ポップアップルーフがあれば、圧迫感も減らせる。
冬場の車中泊を考えると、FFヒーターも欲しいところだろう。
1500wのインバーターや300wのソーラーパネル。大型バッテリーをとうさし、エンジン停止でも5時間以上もエアコンを稼働できる。
そのあたりが標準装備なのは嬉しいポイントだろう。
気になる方は、ぜひ現車で質感やレイアウトなどを確認して欲しい。
荷物置き場がキャブコンタイプに比べて少なくなるので、持ち込む荷物量と車内スペースを考慮すれば、さらに購入後も後悔しない。