キャンピングカーで生きるには?

 キャンピングカーの強み

例えば家族でスキー場に行く時、朝早めに到着して仮眠してから楽しむというスタイルはいかがでしょうか。

それが温泉地だったとしても同じで、宿を利用できる時間を気にせずにスケジュールを立てられるのはメリットです。

特にちびっ子たちがいるような場合、「空き時間」というのは、親の方は意外に手間が掛かるからです。

トイレ付きのキャンピングカーなら、車内でテレビを観て、小腹がすけば冷凍食品でもチンすれば気軽に食べられ、トイレだって自由に使えるので、「空き時間」も待つというよりも普段と変わらない生活をしていられます。

それだけマイペースに無駄を省いた生活が送れることになります。

キャンピングカーだけの生活

定住地となると住まいがなく、生活基盤がキャンピングカーだけの場合、もっとも困るのがキャンピングカーの長期修理でしょう。

冷暖房が効かなくなり、ビルダーに半月も預けるような事態が起これば、家財道具すら失いかねません。

その時、知り合いや宿に長期宿泊できる目処が立っていれば、そんなアクシデントもキャンピングカーの醍醐味に変わります。

また、キャンピングカーは自由に移動できますが、停車する時のスペースは必要です。

道端に長期停車はできませんし、第三者の敷地に無断で停めることもトラブルの原因です。

公的な道の駅やサービスエリアであっても「完全無料」ではありませんし、停車中はいろいろと気を使うことでしょう。

さらには移動には燃料費も掛かります。

そんな風にキャンピングカーの暮らしを考えると、キャンピングカーで得られる「自由」を維持するには、定住者にはない苦労も出てきます。

キャンピングカー生活をメインとするなら、いかにして稼ぐのかもポイントでしょう。

数年単位の話であれば、現地で仕事を探しながら旅をするのも面白いでしょうし、YouTuber やプロブロガーとして広告収入だけで賄うのも興味深い生き方です。

ただ、現地での仕事探しの場合なら、雇い主が労災保険を使うには、労働者の氏名や現住所が必要になるでしょう。

その時に「住所がない」ことは、今の現代社会では何かと不便です。

YouTube やブログで稼ぐとしても、アドセンスのような仕組みを使うなら、そのルールに従わなければいけません。

一時期、問題となった「アドセンス剥がし」のような事態が起これば、その収益で生活している人にとっては生命線を絶たれてしまうことになります。

その意味では、会社に勤めるということは生活を制限しているように見えますが、安全に生きるというためには絶対に検討しておきたい選択肢です。

投資や専門性の高い資格、スキルを身につける!?

キャンピングカー生活を売りにしたブロガーやYouTuberをよく見かけます。

ただ、そこで何を伝えていくのかはそれぞれの課題でしょうし、個性や求心力の大きさにもつながります。

インターネットが普及していなかった頃、スマホもなかった頃の旅は、今以上に特別で、コンテンツとしても魅力がありました。

それは、キャンピングカーも旅も非日常だったからでしょう。

一方で、現代は「ルーティーン」を見せ合う時代です。

ある意味で手の内を早々と明かしてしまうの親近感は湧きますが、特別感は得にくいでしょう。

ある商品のレビューをした時、そのスペックにまつわる情報なら、至る所で知ることができます。

しかし、もう一歩先に進まないと個性は生まれませんし、ブームが去ってしまえば何も残らない可能性があります。

そうならないためには、ユーザー数増加のためにも、ライフスタイルそのものを提案する訴求力が不可欠でしょう。

例えば、モトクロスを始めたとして、男性でも125ccのモトクロッサーをいきなり乗りこなすのは大変です。

それだけパワフルですし、基本が身についていなければ扱いきれないからです。

練習場などでは、市販車で互角に速いライダーがいて、「あの人、何者?」と噂されたりします。

それは、段階を踏むという世界観があって、例外だからみんなが驚くのです。

ある意味での「特別感」ということでしょう。

キャンピングカーの世界で、その「特別感」をどう演出できるか、みんな試行錯誤しているところではないでしょうか。

登場人物にキャラ立ちさせることで、芸能人のような特別感を作りだすのも定番の手法です。

できる限り登場人物は前に出ないで、情報番組のようなスタイルで、商品(キャンピングカー)レビューをしている人も見かけます。

ただ率直な感想としては、未経験で250ccのモトクロッサーを平地で走ってレビューするのは、試乗の感想としては有意義ですが、そこに「特別感」が生まれるのかというと微妙です。

一昔前なら、国内チャンピオンクラスのライダーが、プロ目線と一般ライダー目線を交えてレビューしていました。

そこに至るまでの経験値が特別感のベースとなったからです。

その意味では、キャンピングカーって個人の思いで使えばよくて、どこにいかなければ行けないとか、何をしなければいけないとか、誰が決めるものでもありません。

その自由さが良さの一つではあるものの、「特別感」を生み出しにくい状況にもなっています。

結局のところ、キャンピングカー自体で「特別感」を出せないなら、それ以外の部分で稼ぎながら生活を維持するしかありません。

ともすれば、仕事柄定住者と変わらない生き方になってしまったり、むしろ定住した方が楽だったりします。

どこまでストイックにキャンピングカーで暮らし続けられるかは、特別感をどこで見つけるのかに掛かっているのかもしれません。


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