ゆっくり見えてハイペースなランニングの誤解

 意外とケイデンスは低くない!?

例えば、キロ4分ペースで走っているランナーがいて、それが短距離走的なガツガツと太ももを押し下げるように走っていたら、「あの人、速い!」とは思っても、「ゆったり走っている」とは感じません。

しかし、例えばキロ5分ペースに見えるのに、後ろをついて行こうとしたらペースが速くいと「ゆっくりに見えるのに」と感じるでしょう。

この2つの違いには、共通点があって、ケイデンスではなく、スイングスピードがポイントだということです。

つまり、ゆったりと感じる理由は、自身のイメージと比較して、進むスピードと足の動きがアンバランスから生じます。

これがどんなに速くても、足も速く動かしていたら、イメージ通りになるでしょう。

そこで、初心者が大きな誤解をしてしまうパターンが、ケイデンスを落としてストライド幅を広げたら、ゆったり走って見えるのではないかと考えること。

しかし、ケイデンスを落としてしまうとペースも下がるので、ケイデンスを下げるべきではありません。

事実、上級者ランナーのケイデンスも160spm台という訳ではないからです。

結論を言ってしまえば、同じケイデンスでも、ストライド幅が広がるとゆったりに感じ安く、さらに空中移動している間の動きがゆったりしていると、全体の動きもよりゆっくりと見えるのです。

では我々市民ランナーとケイデンスは変わらないのに、エリートランナーはゆったり走っていられるのでしょうか。

答えはストライド幅ではあるのですが、別の言い方をするなら、接地前後の足の入れ替えスピードが圧倒的に素早いことです。

どうしても足の入れ替えに時間が掛かってしまうと、推進力は増えません。

結果的にストライド幅も狭くなります。

でも、足の入れ替えが早ければ、勢いも出るのでしっかりと空中移動できてストライド幅も広がります。

同じケイデンスでも、緩急をつけて走れていると、ゆったり見えてもペースはキープされるということです。

見た目もそうですが、接地時のスイングスピードを早くする意識を持てれば、走っている全てを頑張らなくても、スタミナの消耗を抑えつつ、スピードが出せます。

中長距離走では、ケイデンスの数値だけでなく、スイングスピードの緩急も、走力向上に欠かせないポイントなのです。



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