視聴されるYouTube チャンネルとは何だろう?
正統派のチャンネルを考えるのは、それこそテレビ番組の制作会社に任せればいい。
構成作家やタレントを巻き込んで、テレビ番組ではできないような企画を立ち上げれば、きっと成功するチャンスが巡ってくる。
ではこみちのような個人で、特に秀でた才能もルックスもない場合、人気チャンネルを生み出すことはできないのだろうか。
まず、視聴されるチャンネルを言い換えると、「面白味に気づいてもらえる」ことだろう。
例えば、バイク乗りが「峠で膝擦りしながらコーナーを駆け抜けたい」と思うことは珍しいことではない。
でも、バイクに乗ったことがなければ、「膝擦り」に注目することはないだろう。
その意味では、チャンネルとして「バイクの基礎経験がある」という前提にするか、全く未経験にするかで、企画内容が変わる。
面白味は、経験が増すごとに深まる傾向だから、「何も知らない一般人でも楽しめる」というテレビ番組作りのような配慮は、バランスの取れたプロの視点が不可欠になる。
例えば、膝擦りを段階的に解説し、その習得までをドキュメンタリーとして動画作りすることもできるだろう。
しかしそんな動画を見てくれるのは、ライダーなら中級者以上で、もしかするとすでにサーキット走行している人も含まれるかもしれない。
そんな方々からは「もっと早く見たかった!」と言われるだろう。
結局、膝擦りってバランスによって成立するから、出した膝だけを地面に出せばいいのではなく、他のポイントを条件通りにしていけば、「もう擦るしかない」状況が向こうからやって来る。
なぜなら、そんなバランスになっていて、膝を擦った方が安定できるから。
でも問題はここからで、そんなハウツーコンテンツを作り、実際に膝擦りできたとしても、そのあとどんな展開に進めばいいだろうか。
ライセンス取得やサーキット走行、ラップタイムやレース参加と向かうべきか。
チャンネルとして考えた時に、どれくらいの視聴者から求められているのかが大切になる。
潜在的に膝擦りからレースへと興味を持つ人は一定数期待できるけれど、そう多くないと思う。
それはバイク試乗を行うチャンネルにも言えて、「今日試乗するのは〇〇です。排気量1000ccのフラッグシップモデルです」と始めたものの、そのバイクの運動性能が発揮される状況は公道では再現できないから、どうしても跨った時の足つきや押し引きの重さ、アクセスを開けた時の速度感などに限定される。
こみちの経験で言えば、400cc.でもそうそうポテンシャルを体感できる瞬間は稀で、1000ccクラスにもなったら、それこそ低回転域のまま走るようになってしまう。
125ccクラスが人気なのも、結局は回せるからだと思うし、そこにバイク乗りは楽しさを感じるのだろう。
結局、このあたりの思考って、車中泊やキャンピングカーにもつながっていて、豪華装備もどこで発揮できるのかが知りたいポイントになる。
キャンピングカーのポテンシャルではなく、どんな旅ができるのか。
そこに注目すると、キャンピングカーって毎回前面に押し出されるものではなくて、それこそロケバスみたいに機材も乗せた車の方が撮影には重宝する。
素のままでも魅力的な出演者が、そこにいるだけで視聴されるなら、作る人も見る人も幸せだろう。
でもそれって、アイドル級のルックスでも簡単ではなくて、プラスアフファが必要だ。
見てもらうことを重視するなら、素のまま楽しむことよりも、演じる楽しさに切り替えるべきだろう。
きっと多くの人もそれに気づいて、でも「楽しんでもらうこと」の方法に悩んでいると思う。
グルっと原点に戻った感じもするけれど、「どんな人がどう楽しいと思うのか?」の答えを探すことが、人気チャンネル作りの最初にする準備なのかもしれない。
キーワードは「住みたい街ランキング」にある?
住みたい街として人気がある地区町村を調べて、その理由を分析してみる。
そして実際に足を運んで、できるならウィークリーマンションでも借りて、また自前のキャンピングカーを使って、一定期間、そこで暮らしてはどうだろうか。
潜在的なニーズが見込めるし、意味がないまま各地を巡るよりも企画的に見込める。
設定としては、20代の若いファミリー向けとし、子どもの様子や主婦目線での感想もあると、コンテンツとしても充実される。
この企画が優れているのは、2022年版、2023年版と、好評なら繰り返し撮影できること。
年代別に積み重ねれば、それだけ街の変化を知ることにもなるから、チャンネルとしての財産にもなる。