「カムロード」が新しくなった!
「カムロード」と聞いて反応した方は、キャンピングカー好きでしょう。
カムロードは、トヨタの製造する車種であり、多くのキャンピングカーのベース車となっています。
キャンピングカーと言ってもいくつか種類があり、個人ユースで最も機能が充実しているモデルがキャブコンタイプで、そのベース車両として使用される一つが「カムロード」なのです。
多分、キャブコンの中でも一番多く使われていると言っても言い過ぎではないでしょう。
それくらい「カムロード」は、キャンピングカーに大きな影響を与えています。
キャブコンとバンコン
全長が5メートル前後の、一般車両の駐車場に停車できる大きさのキャンピングカーであることは、それだけ汎用性も得られるでしょう。
例えばハイエースをベースにしたキャンピングカーにも、5メートル以下のモデルの他、5メートル40センチ前後のキャブコンよりも大きなバンコンも存在します。
意外かもしれませんが、軽キャンカーが入門モデルで、その次がバンコン、さらにキャブコンと続いているイメージですが、実際はキャブコンとバンコンは対等な関係であり、むしろキャンピングカーに求める目的によって選ぶべきものです。
人はコンパクトながら本当に長期間住み続けるなら、最低でもワンルームマンションくらいのスペースは必要でしょう。
もう少し具体的言えば、寝るスペースの他に衣類や生活雑貨を収納できるスペース、さらに調理器具や洗濯機、浴室、トイレ、さらにはガス水道、電気のインフラなど。
加えて、生活圏内にスーパーなどがあって、ゴミ出しもできる環境が不可欠です。
つまり、キャンピングカーをモーターハウスと考えるなら、先に紹介した様々なアイテムを満たしていなければ、今までのように暮らすことはできません。
実際、洗濯機を搭載したキャンピングカーはほとんどありませんし、浴室がないとかトイレもないモデルもたくさんあります。
例えば、電子レンジやエアコンが車内で使えるとしても、トイレが無いと夜間や雨降りはとても不便です。
その度に車から出て、トイレまで歩くしか無いとすれば、唯一の住まいとしては考えられないでしょう。
例えば、トイレやシャワー室、洗濯機まで搭載されたキャンピングカーも存在します。
しかし、そんなキャンピングカーは、ほぼ路線バスのようなサイズです。
そこまで大きくなってしまえば、当然ですがどこに停めるのかで、自由気ままな旅にはなりません。
行きたいところの少し手前にキャンピングカーを止めることになるでしょう。
狭い温泉街をぐんぐんと入って行くことは避けた方がいいはずです。
完璧な装備になると、使い勝手で不便になってしまう。
キャンピングカーは、使用目的にどこまで欲しい装備を残すかの選択です。
ほとんど車内で料理をしない人と、家でも割と手の込んだものを作る人では、キッチン環境に対する考え方も異なります。
「水がどうにか出る」レベルのキッチンなら、インスタント食品を作るくらいがいい所でしょう。
だとしたら、家と同じに考えずに、気ままに移動できる運転しやすい車体が理想となります。
いすゞのビーカム
今回、新型カムロードになって、後輪が2本タイヤとなりました。
過積載になりやすいキャンピングカーの場合、どうしても後輪の負担からバースト等の事故があったからです。
カムロードは1.5トンのトラックと同等の車体で、今回の刷新により安全機能やアドブルーなどが追加されました。
これは、いすゞのビーカムと同じようなモデルチェンジとなった訳です。
例えば、キャンピングカーの総重量が、一般的には3トン強だとして、ハイエースの対価荷重はそれを満たしてはいません。
つまり、ある程度安全機能を考えると、ハイエースベースにするなら、キャブコンと同等の装備は諦めるしか無いのです。
もちろん、様々なパーツをつけることで、体感的な安定感は増しますが、そもそもの設計段階で想定されていない重量を、後付けで補えるとは考えにくく、結局は車体フレームに負担を強いていることになるはずです。
その意味では、2トンベースのいすゞビーカムの場合は、対価荷重は5トンになり、一般的な3トン強を優にカバーできています。
ただし、その分、車体価格が高く、キャンピングカーの販売価格がカムロードを使用したモデルよりも高額になってしまうのです。
今回、新型カムロードになり、どれくらいの価格上昇招くかは分かりませんが、いずれにしてもいすゞビーカムの安全性に近づいたと言っていいでしょう。