お金をどう稼ぐのか?
YouTube が起こした価値観の大革命は、人権でもなく資産でもなく「再生回数」という価値を誕生させた。
知名度の高い格闘家の試合は、YouTube でも凄い再生回数を叩き出す。
一方で、格闘家として高いスキルや技術を持った海外選手同士の試合は、桁が2つも違うほど少ない。
例えば単純に再生回数が収益なのだとすれば、2桁の違いは100倍の差に相当する。
100m走を14秒で走ってもそれほど話題にはならないが、その100倍の0.14秒になると世界が騒めくだろう。
つまり、そもそも人間能力において、100倍の差など起こるものではない。
でもビジネスの世界では、それが普通に起こってしまうし、その理由や原因が必ずしも能力に関連しているとも言えない。
特にYouTube では「見たい」という心理や「見ている」という心理をどう視聴者から引き出せるかがポイントのようで、有名人のコラボをするなど、何らの意味で無名な人でも有名な価値ある存在に見えられるかが重要なるのだろう。
最初の3つをどう勝ちに繋げるか?
ある世界に踏み出した時、そこで新人として売り込めば、初戦は負けたことになる。
でもそれは世間的には常識的なことで、社会人としてのマナーや身だしなみを覚えるまでは負けを重ねることも仕方ない。
一方で、初戦から「対応」にこだわり、意味もなく頭を下げるのではなく、自身の目標や目的を相手に理解してもらい、その上で関係を築く方法もある。
サラリーマンのように個々のスキルの差が生じにくい職場の場合、出身大学や所有資格を評価に加えることで明確な差が出そうとする。
では、個人事業主の場合はどうか。
この場合、どのタイミングで個人事業主に転じたのかがポイントになってくる。
業界の第一線で長く活躍していたような場合、個人事業主となり、より強みだけでビジネス展開させる。
一方で、一通りの知識や技術を修得し、半ば中間管理職のような立場で、発注元と下請け企業
を繋ぐような役割に進むケースもある。
さらには、ほとんど未経験なままでビジネスを始め、経営しながらノウハウを蓄積し、活路も見出す人もいるだろう。
特に最後のパターンは、時間との勝負でもあり、勝率の高い相手を選んで結果を出すことが何よりだ。
最初に例えば5連敗してしまうと、その時点で評価は無いものになり、その後はどんなに活躍しても、再浮上するまでにかなり長い時間を要する。
個人事業主が率先して選択する戦略ではないだろう。
しかし、YouTube ではこれまでのセオリーには無かった戦略が現れた。
以前までは顧客は少なくとも購買力を備えている必要があったのに対し、「視聴環境」さえあれば資金を持っていなくてもいい。
むしろ、時間的に余裕がある自宅が職場になっている人からどうアクセスされるかがポイントなのだ。
1万円を支払ってくれる客が10人いることと、10万円を支払ってくれる客は、売上としては同じ価値を持っていた。
しかし、YouTube では、それこそ、10万円も、1万円も1000円や100円、0円だったとしても、1回の視聴には変わりない。
つまり、より深い話を選ぶよりも、多くの人が流れて来そうな場所を見つけて、そこで店を構えることがより優先される。
すなわち、有名人やコラボ企画という形式で、流動されやすい確率を上げることで、YouTube で求められる再生回数を増やすことだ。
もしも、デザイン的なこだわりやコンテンツの内容を向上させれば、より高い評価になると思うのは早めに封印した方がいい。
むしろ、どれだけ話題性を膨らませられるかがポイントになる。
YouTube だから成功した人もいる!?
再生回数という価値観に特化したチャンネルで、その視聴者の大半が資産のほとんどを持っていなかったら、これまでのビジネスでは顧客にはなっていない。
せいぜい、冷やかし客で、稀に購入につながることもあるが、それは副産物的な位置付けだろう。
これまでなら、間違いなくより高額な商品を定期的に購入してくれる相手をお得意様として、もてなすことが求められた。
それくらい今どきのセオリーは変化しているのだから、稼ぎたいなら本物志向に進むのは早い。
むしろ、注目度に注意して宣伝効果を上げることだろう。
YouTube で成功した人でも、実際のビジネスでは失敗していることもあるはずだ。
なぜなら、全く異なる手法が求められ、どちらか一方だけでは成功を掴めないからだ。