一周回ってからの「ミニマリスト」が理想形!?

 生活を「シンプル」にする!?

「衣食住」を考える時に、何かテーマがあると決めやすい。

というのも、例えば「住」でさえ、地域や住宅形態、間取りや内装のイメージと、それらだけでも無限に近いほどのパターンが考えられるからだ。

そこに「衣」や「食」まで含めたら、もう収集がつかない事態になってしまう。

しかし面白いもので、例えば5LDKという割に大きな住宅だったとしても、庭の雰囲気や外観、内装の色数などに気を使うと印象として「シンプル」に見える。

一方で、例えばワンルームだとしても、少しできたデッドスペースの有効化を意識するあまり、全体としてまとまり感が薄く、ガチャガチャした落ち着いのない空間ができてしまう。

そこまで含めたら、単純に生活を「シンプル」にするということが、価格や広さ、アイテム数のような数値化では判断できないと分かるだろう。

「高性能」なアイテム

高性能を望むのは、例えば優越感を得られるからということではない。

単純に自分自身を変えたくないからだ。

例えば、エンジン出力の低い車を上手に操るには、いかに出力が出ている状態をキープできるかに掛かっている。

逆を言えば、エンジンが優秀で、低回転から高回転まで均一に出力を得られる車なら、難しいことなど全く考えなくても上手く走らせられるだろう。

その意味では、「高性能」なものは生活を豊かにしてくれる。

それは何より生活に合わせなくても、生活が合わせてくれる気楽さがあるからだ。

でも、知っていて欲しいことは、少し操りにくいことは、必ずしもデメリットではなく、時にやりがいや楽しみに繋がる。

つまり、生活の基本部分は高性能化し、生きる楽しみは少し癖のあるアイテムを選びたい。

キャンプをすれば、日常生活よりも不便を感じる。

しかしその体験は必ずしも「不便」を学ぶことではなく、むしろ「本当に必要なもの」や「どれくらい必要なのか?」を感じ取ることにある。

つまり、面白いもので、例えばワンルーム同等の機能を備えたキャンピングカーを買っても、時にそれは3LDKの戸建てとは違う狭さを感じるだろう。

一方で、バンコンタイプの見た目は一般車で中に入るとベッドやキッチンがあるキャンピングカーは、先程の機能満載のキャンピングカーより不便なのに、心地よかったりする。

これはまさに、「ミニマリスト」の真髄で、削ぎ落とせない部分だけを残し、残りはあえて常備しないことで、一見すると少し物足りなく感じ、でも十分に心地良さが得られる。

急がば回れ!?

求めていた高性能なアイテムも、実は一周しなければ辿り着けない領域だったりする。

特に人生の過渡期には、必要だと思うアイテムがどんどん増えてしまい、理想の生活も無駄に膨らんでしまう。

でもそんな経験があるからこそ、「断捨離」や生活改善の価値に気づき理想形が見えてくる。

最初から数アイテムしか持たないままだと、それそれでミニマリストになるのだが、本当に自分が求めている「ミニマリスト」は別の形かもしれない。

というのも、ミニマリストだってワンパターンではなく、その人にとって「らしさ」を感じる一品は様々だ。

それが、中華鍋という人もいるし、本という人、音楽と答える人もいる。

でもそれにたどり着くまで、いろんな経験があるからこそなのだ。

だから人生は面白く、年齢に象徴される時間無くしてゴールはない。

長く使い込まれた一品が側に置いてあるような暮らしに辿り着けたら、その時に「ミニマリスト」として名乗っても良いのだろう。

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