「キロ3分ペース」よりも大切なこと
ランニングなら3キロ以上走れることが条件。
スプリントなら「キロ3分ペース」は小学生の高学年と同じ走力。
キロ3分ペースといっても、50mを9秒で走っているだけなので、スピードとして特別速い訳ではありません。
しかし、そのペースで3キロ、5キロ、10キロと連続して走り続けられたら、それは急に難易度が上がります。
つまり、「走力」としてではなく、「脂肪燃焼」の領域でスピードを保つことに大きな価値があります。
この話をするとき、こみちはランニングフォームとスプリントフォームの違い、またランニングではスピードを上げるフォームではなく、キープするフォームを思い出します。
足を前に出して「走る」という運動ではなく、重心をどう前に動かして行くのか、そのために手足をどう動かすのかを理解してフォームの違いを身につけないと、初心者の域から抜け出せません。
仮にキロ3分ペースで3キロ走れたとしても。
ただ、何も知識を持たないで、フルマラソンの距離でも走れてしまうのであれば、もう理屈など気にしなくてもいいと思いますが…。
多くの人は、スプリントフォームとしてキロ3分ペースで走れない訳ではなくて、でもランニングフォームとしてはキロ3分ペースが高い壁になります。
というのも、両者の違いは加速における準備の差で、全身をフルに使って加速するスプリントフォームとは異なり、ランニングフォームではスピードとエネルギーの消耗を気にしながら、走らなければいけません。
つまりはランニングフォームとして、3キロの距離を走り切れないとするなら、それはスプリントフォームだということ。
苦しくなった時に、そのフォームを維持できなくなって、一気にペースダウンしてしまいます。
ランニングフォームは、少しキツいくらいで、楽に走り続けられる動きでなければいけません。
「接地」の瞬間に大きなポイントが!
走るために、体が前に進むスピードが大切です。
それを推進力と呼びますが、「接地」が始まって体重を足の裏で完全に支えるまでの間に反発力を受け取り終えていなければいけません。
ランニングフォームから、さらにジョグフォームがあるとするなら、接地前後の動きだけで走るとジョグフォームであり、ジョグペースになります。
つまり、ランニング中、体重を支えた後で、足を後方に蹴ってはいけません。
それではタイミングが遅すぎます。
狙いたいのは、体重を支え始める一瞬前から、支え切るまでの間です。
シューズが地面に触れて、ソールに体重が乗るまでの間に、それこそ「押す」のは1センチもありません。
感覚的には足を地面に落として、触れた時にはもう前に振り出している動きの中の一瞬です。
落として蹴るではなく、落ちしながら蹴り終える感覚です。
そのためには、接地のタイミングで体が足よりも前になければいけません。
それができているいないと、足で押したら推進力を弱めてしまうブレーキになるからです。
しっかりと接地位置を足の下側まで引き寄せていることで、いかに蹴るのかも意味が出て来ます。
ジョグが大切と言われるのは、このタイミングを先ず覚えなければ、ランニングフォームがマスターできないからです。
できていないのに速いのは、スプリントフォームで走り、しかも元々驚異的なスタミナがあって長い距離を走り切れる強者です。
そんな恵まれた人のマネはできないので、やはりランニングフォームをしっかりとマスターすることが王道なのです。
ペースは特に意識する必要はなくて、ポジションだけを意識して走るといいでしょう。
というのも、走っていて言えるますが、ジョグフォームマスターすると、疲れていても速いペースで走れるようになります。
継続できるかは練習次第ですが、スプリントフォームではない一番の理由が、疲れていても速く走れるランニングフォームだということです。
筋力で走っているのではなく、タイミングで走っているので、その動きさえ続ければペースは以前よりも楽に上げ下げできるでしょう。
こみちの場合、キロ3分45秒からキロ6分ペースの間で、ジョグしながら、ペースを使い分けて走れました。
スタートで速い訳ではなく、11キロを走ったラストで、キロ3分台に上げられるのは、スタミナがあるからではなく、フォームを崩さないで走れる距離が伸びたことで、上げたい時に足を回していけるようになったことが大きいと思います。
話戻すと、ランニングフォーム、ジョグフォームをマスターすることで、スプリントフォームほど速く走れませんが、疲れてもある程度のスピードで走れてしまうのはランニングフォームの大きな特徴です。
スタートダッシュでキロ3分ペースを出せることよりも、ランニング中にペースを上げ下げして、その中でキロ3分ペースでも回していけることに意味があります。
そのにも、スプリントフォームとランニングフォームの違いを理解して、練習することが欠かせません。